社員の“睡眠負債”が会社に与える影響とは?人事が知るべき3つのリスク

皆さんこんにちは。
Lifree株式会社代表・睡眠コーチのサトウ未来です。

一昔前まで「社員の睡眠は自己責任」と思われていましたが、
実は組織全体の生産性・人間関係・企業価値にまで影響を与える“経営課題”となっています。。



私たちはこれまで180社・10万人以上のビジネスパーソンをサポートしてきましたが
睡眠の乱れは個人だけでなく会社の業績を静かにむしばむ“見えない損失”を生み出していると実感しています。

 

本記事では、経営・人事の皆さまに知っておいていただきたい
「睡眠負債が会社に与える3つのリスク」と、
実際にLifreeが現場で見てきた改善事例を交えてお伝えしますね。

 

 

1.睡眠負債とは何か?

“睡眠負債”とは、必要な睡眠時間に対して少しずつ足りない睡眠が積み重なり、
心身に悪影響を及ぼす状態を指します。
例えば、毎晩1時間の寝不足が続くと、1週間で7時間=丸1晩の徹夜と同じ状態に。

一見「寝不足くらい大丈夫」と感じるかもしれませんが、
研究では次のような結果が報告されています。

つまり睡眠負債は、“静かに蓄積するリスク”であり、
体調不良だけでなく判断ミス・人間関係・組織文化にまで影響するのです。

 

 

2.睡眠不足がもたらす3つの企業リスク

 

リスク①:生産性・集中力の低下

経産省の調査では、プレゼンティイズム(出社していても生産性が下がっている状態)の損失は、
1人あたり年間約178万円にものぼると言われています。

Lifreeの企業データでも、睡眠改善プログラム後には

という結果が見られました。

つまり「睡眠改善」は“メンタル不調対策”を超え、

人材のパフォーマンス投資としてROI(投資対効果)が非常に高い施策なのです。

 

リスク②:メンタル・離職リスクの増大

睡眠不足はメンタル不調を約40倍引き起こしやすいという研究もあります。
夜眠れない状態が続くと、自律神経やホルモンバランスが乱れ、
「何となく気分が落ちる」「集中できない」「人と話すのがしんどい」などの軽度不調が増加します。

実際に私たちのサポート現場でも、
睡眠の改善がきっかけで「気持ちが安定して人に優しくなれた」「朝の憂うつがなくなった」
という声が多く寄せられています。

睡眠不調は、表面上は“体の疲れ”として見過ごされがちですが、
放置すると離職・休職・パワハラ行動・チーム崩壊など、組織リスクに直結します。

 

リスク③:エンゲージメント・人間関係の悪化

睡眠不足のリーダーは部下に対して厳しくなり、信頼を損ないやすい
これは米ワシントン大学の研究でも確認されています(Barnes, 2017)。



つまり、リーダーの睡眠がチームの心理的安全性を左右しているのです。

実際にLifreeが支援した企業では、
睡眠改善プログラム後にeNPS(従業員エンゲージメント指標)が29.5%向上しました。

「睡眠」という一見プライベートなテーマが、
実はチームの関係性やコミュニケーションの質を高めるカギでもあるのです。

 

 

3.企業事例と数値で見る「睡眠負債の損失」

RAND Europeの調査では、睡眠不足による経済損失は
日本全体で約15兆円にのぼると報告されています。

企業単位で見ても、

これらを合算すると、睡眠負債が放置されることは
「人材の見えない損失」として、採用・教育・生産性すべてに影響します。

一方で、Lifreeが実施した企業向け「睡眠改善プログラム」では、
平均して行動変容率90%・プレゼンティイズム178万円改善という結果が出ています。

つまり、睡眠負債の削減は“コスト削減”ではなく、
人的資本への再投資であり、従業員一人ひとりの“健康資本の積立”です。

 

 

4.まとめ:人事・経営層が今できること

最後に、経営・人事が今日からできる3つのアクションをお伝えします。

① 睡眠の「見える化」から始める

まずは睡眠サーベイで、従業員の睡眠実態を可視化します。
平均睡眠時間・入眠時間・日中の眠気・メンタル傾向などを把握することで、
“なんとなく不調”という曖昧な状態をデータで把握できます。

 

② リーダー層から実践する

管理職の睡眠改善は、チーム全体の心理的安全性や生産性に直結します。
「まずリーダーが眠る」ことが、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。

 

 

③ 行動変容が起きる仕組みを設計する

睡眠セミナーを“やりっぱなし”にせず、
・サーベイ → セミナー → 改善プログラム → 効果測定というサイクルを設計することで、
「参加者の納得感」「経営層の効果実感」を同時に得られます。

 

 

おわりに

睡眠負債は、見えない形で企業の成長を妨げる“静かなコスト”です。
一方で、睡眠改善は費用対効果が高く、健康意識の低い社員にも届く“全員施策”。

私たちLifreeでは、睡眠数値の改善だけでなく、
メンタル・エンゲージメント・売上・離職率など、
「人の回復が業績に変わる」仕組みを企業と一緒に設計しています。

社員一人ひとりがよく眠り、よく働く。
その循環こそが、これからの人的資本経営の本質ではないでしょうか。

 

睡眠に困ったときは専門家に相談を

「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。

Lifree株式会社では、ビジネスパーソン向けに
パフォーマンスを最大化するための睡眠改善プログラムを提供しています。

睡眠の質を高め、日中の生産性を向上させる具体的な方法を知りたい方は
ぜひLifree株式会社までお問い合わせください。

 

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執筆者

サトウ未来(Lifree株式会社代表取締役/快眠コーチ)

NTTドコモ、サイバーエージェントなど180社10万人以上のサポート実績。

従業員の睡眠数値▲50.1%、メンタル数値▲35.6%改善。

睡眠上級指導士/日本睡眠学会正会員/アクションラーニングコーチ/

フランス式アロマ上級インストラクター等

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