社員の“睡眠負債”が会社に与える影響とは?|人事・経営が知るべき3つのリスク

「寝ないで頑張る上司」よりも、「しっかり休養を重要視する上司」が信頼される時代。



いまや、リーダー層の睡眠不足は単なる“個人の疲れ”にとどまらず、
チームのモチベーション・倫理観・業績にまで影響を及ぼす「組織リスク」として注目されています。

 

Lifreeがこれまで支援してきた180社のデータからも、
管理職層の睡眠改善がチーム全体の生産性・心理的安全性を押し上げることが明確に示されています。



本記事では、管理職の短眠リスクと、
組織全体を変えるための実践的なガイドを、最新データと現場の声をもとに解説します。

 

 

管理職の睡眠実態

40〜50代の管理職のうち、約6割が6時間未満の睡眠(厚生労働省「国民健康・栄養調査」より)。


責任の重さ、長時間労働、リモートと対面の両立による多忙さが重なり、

「寝つけない」「夜中に目が覚める」「朝から疲れている」といった悩みを抱える人が増えています。

実際に、Lifreeが企業で行った睡眠サーベイでも、
管理職層の睡眠満足度は一般社員より低く、
「睡眠に関する悩みを誰にも相談できていない」という声も多く聞かれました。

さらに、管理職層の多くが「短時間睡眠で大丈夫」と自己判断しており、

睡眠負債を抱えたまま働き続けるケースも少なくありません。

しかし、脳科学的には6時間睡眠を2週間続けると、徹夜状態に近い判断力の低下が起こる
(Van Dongen et al., 2003)ことが知られています。



つまり、「寝不足でも働けている」と感じていても、

脳の処理能力や感情制御は確実に落ちているのです。

 

 

短眠による影響と組織リスク

1. 判断力・意思決定力の低下

睡眠不足は、前頭葉(論理的判断・意思決定を司る領域)の働きを弱めます。
そのため、重要な会議や戦略判断の場で「ミスリードを起こす」「小さな判断ミスが増える」といった影響が出やすくなります。
ハーバード・ビジネス・レビュー誌でも、リーダーの睡眠不足が意思決定の質を著しく下げると報告されています。

 

 

2. 感情コントロールと対人関係の悪化

米ワシントン大学の研究では、「上司の睡眠不足が部下の信頼を低下させる」ことが実証されました。
睡眠不足の上司は、無意識のうちに表情が硬く、声のトーンが低くなり、
部下が「話しかけづらい」「否定された」と感じやすくなる傾向があります。

さらに、ミシガン州立大学の調査では、睡眠不足が非倫理的行動やパワハラ傾向を強めると報告。
睡眠が欠けると共感力が下がり、怒りの抑制機能が低下するためです。

つまり、短眠は「リーダー個人の健康問題」ではなく、
チームの信頼関係や心理的安全性を損なう組織リスクなのです。

 

 

3. 組織パフォーマンスの低下

リーダーのコンディションは、チームの成果に直接影響します。
実際、米ボストン大学の研究では、上司の睡眠不足がチーム全体のパフォーマンスを約20%低下させるという結果が出ています。
これは、上司が疲れているだけでなく、
「メンバーがその行動スタイルを模倣する」心理的影響によるものとされています。

Lifreeの支援現場でも、管理職の睡眠改善後に
「チームミーティングの雰囲気が明るくなった」「朝の生産性が上がった」といった変化が見られました。
数値化はされていないものの、現場感覚として、
リーダーが整うことでチームの一体感が高まるという実感が確かにあります。

 

 

改善策と導入の流れ

管理職の睡眠問題は、「本人任せ」では解決できません。
Lifreeでは、企業全体として睡眠リテラシーを高めるために、
次の4つのステップを推奨しています。

STEP1:睡眠せみなーの実施

まずは「睡眠が意思決定や感情に影響する」という科学的事実を伝える研修から。

管理職自身がデータを見て納得することが、行動変化の第一歩です。

講義では、5時間睡眠が続くとアルコール摂取時と同等のパフォーマンス低下を起こす研究や、

脳疲労の蓄積がイノベーション能力を奪うメカニズムなどを紹介します。

受講後に「自分の睡眠を“管理の一部”として捉え直した」という声も多く、

意識の切り替えを促す重要なステップです。

STEP2:睡眠改善プログラムの導入

研修で学んだ後は、習慣づくりをサポートします。

睡眠時間を増やすことだけでなく、質を高める方法(光・温度・行動リズム)を実践。

Lifreeでは、今日からすぐできる「睡眠改善ワーク」を提供しており、

「夜のスマホ時間を短縮」「朝の光を浴びる」など、現実的なアプローチから始めます。

このような習慣づくりを1ヶ月続けるだけでも

睡眠状態の数値が改善上され、日中の集中力やメンタル安定にも好影響が見られます。

STEP3:定期的な睡眠サーベイの実施

プログラムの効果を可視化するため、6〜12ヶ月ごとに睡眠サーベイを実施。

不眠スコアや眠気スコアを分析し、管理職層の状態を把握します。

これにより、「誰が眠れていないか」ではなく「組織全体でどの時間帯・働き方に課題があるか」を明らかにし、

再発防止・業務改善に生かすことができます。

 

STEP4:ロールモデル化と文化醸成

プログラムで成果を上げた管理職をロールモデルとして社内で紹介します。

社内報や朝会で「睡眠の取り組み」を発信することで、

「上司がセルフケア・マネジメントしている=信頼できる」という新しい価値観を浸透させます。

また、チーム単位で「睡眠チャレンジ月間」を実施するなど、

楽しく続けられる仕組みを取り入れることも有効です。

 

社内浸透の実践法

企業でうまくいっている例では、次のような工夫が行われています。

これらの施策を続けることで、睡眠改善が一時的なブームではなく、

組織文化として根づくサイクルが生まれます。

 

 

Lifree現場での実感

・「上司が睡眠を整えたら、チームの朝会が穏やかになった」

・「夜遅くのメールが減って、部下が安心して眠れるようになった」

・「管理職研修で“休む勇気”の大切さを知り、マネジメントに余裕が生まれた」

これらは、数値では測れないけれど確実に組織を変えていく小さな変化です。
睡眠改善の効果は、個人の健康を超えて、“チームの信頼関係”や“心理的安全性”を支える基盤になると、
Lifreeは考えています。

 

 

まとめ|管理職が整えば、チームが整う

リーダーが整うことは、チームが整うこと。
短眠を“努力”ではなく“課題”として捉え、経営層が自ら整える姿勢を示すことで、組織の風土は確実に変わります。

リーダーが十分に眠る会社は、部下の信頼が厚く、ミスが減り、業績も安定します。
睡眠はもはや「休息」ではなく、次世代マネジメントスキルのひとつです。

Lifreeはこれからも、企業のリーダーたちが「睡眠を通じてチームを整える」ための支援を続けていきます。
あなたの会社のリーダーは、今夜、しっかり眠れていますか?

 

睡眠に困ったときは専門家に相談を

「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。

Lifree株式会社では、ビジネスパーソン向けに
パフォーマンスを最大化するための睡眠改善プログラムを提供しています。

睡眠の質を高め、日中の生産性を向上させる具体的な方法を知りたい方は
ぜひLifree株式会社までお問い合わせください。

 

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