
最近、Apple WatchやFitbitなどのスマートウォッチで
「レム睡眠が少ない」
と表示され、不安を感じてこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、
レム睡眠が少ないこと自体が病気というわけではありません!
ただし、Lifreeがこれまで 180社・10万人以上の睡眠データ を見てきた中で
はっきりしていることがあります。
レム睡眠が少ない人ほど、
・疲労が抜けない
・感情のコントロールが難しくなる
・仕事のパフォーマンスが落ちやすい
という傾向が見られるのです。
この記事では
・レム睡眠とは何か
・なぜ少なくなるのか
・どんな健康・仕事リスクがあるのか
・どうすれば増やせるのか
を 研究データ × 現場サポート(Lifree) の両面から、わかりやすく解説します!

レム睡眠(REM sleep)は脳が活動し、体が休んでいる睡眠状態です。
・夢を見やすい
・記憶の整理
・感情処理
・ストレス耐性の回復
・創造性・発想力の向上
が主な役割です。
・全睡眠時間の 約20〜25%
・7時間睡眠なら 90〜110分程度
が一般的には理想とされています。(Carskadon & Dement, 2011)
意外かもしれませんが
レム睡眠の割合は、加齢で大きく減少しません。
減るのは「深いノンレム睡眠」であり、
レム睡眠は
・分断されやすくなる
・浅くなる
という変化が起こります。
▶︎つまり年齢そのものより「生活・ストレス・回復力」が問題なのです。

Lifreeの現場では
「ノンレムが浅い人ほど、レムも不安定」
という傾向が一貫して見られます。
▶︎レム睡眠だけを増やそうとするアプローチは、失敗しやすい理由です。
2017年の研究では、
レム睡眠が少ない高齢者ほど、認知症発症リスクが高いことが報告されています。
・レム睡眠が10%減るごとに
・認知症リスクが 約9%上昇
(Pase et al., Neurology, 2017)
レム睡眠は
「感情を伴う記憶」の整理を担っています。
睡眠実験ではこのような研究結果も出ているのです
・レム睡眠を妨げた被験者は記憶定着率が 20〜40%低下
(Walker & Stickgold, 2004)
「寝ているのに仕事が覚えられない」「集中力が続かない」
という人は、レム睡眠の分断が疑が割れるかもしれません。
レム睡眠は扁桃体(感情中枢)の過剰反応を抑える役割があります。
レム睡眠不足の状態では
・怒り
・不安
・焦燥感
が増幅されやすくなることが分かっています。
またある研究では、レム睡眠が不足した状態では、
不快な画像を見た際の「扁桃体」の反応性が約60%も増幅することが判明しています。
(Yoo et al. (2007),
また、レム睡眠が不安定な人ほど
・朝から交感神経が過剰
・夜に副交感神経へ切り替われない
という自律神経の乱れが起こります。
睡眠構造(レム+ノンレム)が乱れている人は
心血管疾患・うつ病・事故リスクが高いことが複数研究で示されています。
全死亡リスクの上昇: 睡眠時間が6時間未満の「短時間睡眠者」は、7〜8時間眠っている人に比べて、死亡リスクが12%上昇します。
心血管疾患リスク: 別の解析(Cappuccio et al., 2011)では、短時間睡眠は冠動脈疾患の発症・死亡リスクを48%、脳卒中のリスクを15%高めることが報告されています。
(Cappuccio et al., Sleep, 2010)
こういった体や心の乱れは病気のリスクにもつながるので改めて
ご自身の睡眠を見直してみましょう!
レム睡眠は睡眠後半に(明け方に近づくほど)多く出現します。
そのため、睡眠時間を削って早起きをすると、
一番長いレム睡眠の時間を丸ごとカットしてしまうことになります。
5〜6時間睡眠では物理的にレム睡眠が削られるのです。
40代以降に多いのは
・仕事ストレス
・家庭責任
・脳疲労
▶︎実は、年齢より「生活負荷」とセルフケアの間違いが問題。
慢性ストレスは自律神経が乱れ、
寝ている間も「交感神経(興奮のスイッチ)」が優位になりがちです。
・レム睡眠の分断
・覚醒回数の増加
を引き起こします。
(Meerlo et al., 2008)
アルコールは「寝つき」こそ良くしますが、レム睡眠を強力に抑制します。
アルコールが分解される夜中から朝方にかけて眠りが浅くなり、
レム睡眠が細切れになるため、脳が十分に回復してくれないのです。
・光(特にブルーライト)
・温度・湿度
・音ストレス
は、レム睡眠を最も壊しやすい要因です。
レム睡眠中は全身の筋肉が最も緩むため、喉の組織が沈み込み
気道が塞がりやすくなります。
酸欠状態になると脳が「危険!」と判断して覚醒(中途覚醒)させてしまうため
レム睡眠が完遂されず、トータルの時間が激減するのです。
朝を固定するから夜自然と眠たくなってくるのが人間の生体リズムです。
毎朝同じ時間に起きて太陽光を浴びると、体内時計がリセットされます。
起床時間を一定にすることで、
夜間の適切なタイミングでレム睡眠が出現し、質が安定します。
食後すぐに寝ると、睡眠中なのにまるで洗濯機のように胃腸が働きます。
消化活動が続き、これでは深部体温が下がりきりません!
レム睡眠は体温が下がる過程で安定するため、寝る2〜3時間前には食事を終え、
胃腸を休めて脳を休息モードへ切り替える準備を整えましょう!
寝る1時間前からはスマホを置き、照明を落として過ごしましょう。
ブルーライトやアドレナリンが出るような情報の刺激を避けることで、
睡眠ホルモンの分泌が促されます。
脳がリラックスし、レム睡眠へのスムーズな移行が可能になりますよ!
アルコールはレム睡眠を強力に抑制し、眠りを浅くします。
お酒を炭酸水+リンゴ酢などに置き換えれば、喉越しの満足感を得つつ、中途覚醒を防げます。
アルコールの影響を排除することで、質の高いレム睡眠を確保できます。
就寝90分前に40度前後のお湯に浸かると、深部体温が一時的に上がります。
その後、体温が急降下するタイミングで入眠すると、睡眠サイクルが整ってくれます。
入浴後は脳を刺激せず、静かにクールダウンがおすすめです。
厚生労働省の指針では1日7000〜8000歩以上の歩行が推奨されています。
この歩数は日中に適度な身体的疲労を与えることで睡眠圧が高まり、夜間のレム睡眠が安定します。
夕方までにこの歩数を稼ぎ、夜の深い眠りにつなげましょう!!
寝る前にポジティブな出来事を書き出すと、脳の興奮が鎮まりリラックス効果が得られます。
不安や悩みなどの「脳のノイズ」を追い出すことで、
記憶の整理を行うレム睡眠が妨げられず、安定して行われるようになりますよ。
睡眠改善は「数値を見て終わり」では意味がありません。
Lifreeのセミナーやプログラムでは、数値の背景にある生活・ストレス・回復不足を読み解き、
具体的な行動変容までを設計します。
・強い日中の眠気が抜けない
・家族にいびきや無呼吸を指摘される
・抑うつ症状が続き、心が晴れない これらは医学的なアプローチが必要なサインです。
レム睡眠が少ないという結果には、必ず原因があります。
それは日々の努力や環境による「回復不足」のサインです。正しく整えれば、睡眠は必ず改善します。
Lifreeは、単なる「寝方を教える会社」ではありません。
睡眠を通じて、自分をメンテナンスし、健やかに「回復できる人を増やす会社」です。
「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。
Lifree株式会社では、ビジネスパーソン向けに
パフォーマンスを最大化するための睡眠改善プログラムを提供しています。
睡眠の質を高め、日中の生産性を向上させる具体的な方法を知りたい方は
ぜひLifree株式会社までお問い合わせください。
