Skip to content
ホーム » 睡眠改善 » 健康経営の主な課題7選!担当者・経営者目線での解決策まで徹底解説

健康経営の主な課題7選!担当者・経営者目線での解決策まで徹底解説

[最終更新日:2026-05-25]

「健康経営に取り組みたいけれど、何から始めればいいかわからない」
「施策を導入したものの、思ったほど成果が出ない」
「担当者の負担ばかり増えている…」

近年、健康経営に取り組む企業は急増しています。
しかし実際には、多くの企業が“理想と現実のギャップ”に悩んでいます。

特に中小企業では、

「人手不足」
「ノウハウ不足」
「予算不足」
「経営層の理解不足」

など、さまざまな課題が重なりやすいのが現実です。

実際、健康経営は「制度を導入すれば成功する」というものではありません。

重要なのは、
自社の課題に合わせて、無理なく継続できる形で設計することです。

本記事では、健康経営で多くの企業が直面する課題と、
その解決策について、担当者・経営者双方の視点から詳しく解説します。



目次

健康経営の現状|大企業と中小企業の取り組み実態

健康経営の実施率と企業規模による差

健康経営という言葉は広く浸透してきましたが、
実際の取り組み状況には企業規模による大きな差があります。

大企業では健康経営の実施率が50%を超える一方、
中小企業では30%前後に留まるという調査もあります。

背景には、

「専任担当者を置けない」
「施策を考える余裕がない」
「何をやればいいかわからない」

といった課題があります。

特に従業員20〜300名規模の企業では、
人事・総務担当者が通常業務と兼任しているケースも多く、
健康経営まで手が回らないことも少なくありません。


健康経営優良法人の申請数は年々増加している

一方で、健康経営優良法人認定の申請数は年々増加しています。

背景には、

「採用強化」
「離職防止」
「人的資本経営への対応」
「企業イメージ向上」

などがあります。

特に近年は、単なる福利厚生ではなく、
“従業員の健康が企業競争力を左右する”という考え方が広がってきています。


中小企業ほど健康経営の浸透が遅れる理由

中小企業では、
健康経営の重要性を理解していても、実際には進みにくいケースが多くあります。

その理由として大きいのが、

  • 人材不足
  • 予算不足
  • ノウハウ不足

です。

さらに、担当者1人が
実質すべてを担っているケースも少なくありません。

その結果、

「とりあえずセミナーだけ実施」
「毎年同じ施策を繰り返す」

など、形骸化しやすくなる傾向があります。


健康経営担当者が直面する7つの課題

「健康に良いこと探し」になり、本当の経営課題とつながっていない

健康経営で最初につまずきやすいのが、
「何をやればいいのか分からない」という問題です。

その結果、

「とりあえずウォーキングイベント」
「福利厚生サービス導入」
「年1回セミナー開催」

など、“健康に良さそうなこと”を並べるだけになってしまうケースも少なくありません。

しかし本来、健康経営は「健康活動」が目的ではなく、

  • 離職率低下
  • プレゼンティーズム改善
  • 生産性向上
  • メンタル不調予防

など、“経営課題改善”につながって初めて意味があります。

重要なのは、
「自社のどんな課題を改善したいのか」を最初に整理することです。


担当者1人に負担が集中し、継続できなくなる

中小企業では、健康経営専任担当者を置けるケースは多くありません。

そのため、

  • 人事
  • 総務
  • 採用
  • 労務

を兼任しながら、実質1人で進めているケースも少なくありません。

その状態で、
「企画・社内調整・経営層説明・施策運営・効果測定」
まで行うのは大きな負担になります。

結果として、
「最初だけ頑張って続かない」という状態に陥りやすいのです。


経営層が「コスト」として見てしまう

健康経営が進まない企業ほど、
経営層が健康施策を“福利厚生コスト”として見ているケースがあります。

しかし実際には、健康課題は、

  • 生産性低下
  • 離職
  • 採用難
  • プレゼンティーズム

など、企業利益へ直結しています。

特に睡眠不足やメンタル不調は、
“出勤しているのに本来の力を発揮できていない状態”を生み出します。

そのため近年では、健康経営は「コスト削減」ではなく、
“人的資本投資”として考えられるようになっています。


「健康意識が高い人だけ」が参加してしまう

多くの健康施策では、参加者が固定化しやすい傾向があります。

つまり、
「元々健康意識が高い人」ばかりが参加してしまうのです。

しかし本来支援が必要なのは、

  • 慢性的に疲れている人
  • 高ストレス者
  • 管理職
  • プレゼンティーズムが高い層

であるケースも少なくありません。
だからこそ、“忙しい人でも参加しやすい設計”が重要になります。


「お金がないからできない」と止まってしまう

健康経営というと、「大企業の取り組み」という
イメージを持つ担当者も少なくありません。

そのため、

「予算がないから難しい」
「設備投資できない」

と考えてしまうケースがあります。

しかし実際には、高額な施策よりも、

  • 継続しやすい
  • 参加しやすい
  • 現場負担が少ない

施策の方が、結果につながるケースも多くあります。


効果測定ができず、経営層へ説明できない

健康経営では、「実施したこと」よりも、「どう変化したか」が重要です。

しかし実際には、

「何を測ればいいかわからない」
「成果を数字で説明できない」

という悩みも非常に多くあります。

最近では、

  • プレゼンティーズム
  • 睡眠状態
  • 離職率
  • eNPS
  • ストレス値

などを組み合わせ、
“組織パフォーマンス”として測定する企業も増えています。


毎年同じ施策になり、形骸化していく

健康経営でよくあるのが、

「毎年同じイベント」
「参加者が減っていく」
「やること自体が目的化する」

という状態です。

特に、“やった感”だけで終わる施策は、従業員にも浸透しにくくなります。

重要なのは、
「続けること」ではなく、“改善し続けること”です。




経営者視点で見る健康経営の課題

「本当に利益につながるのか」が見えにくい

経営者視点で最も大きい課題は、「ROIが見えにくいこと」です。

健康経営は、

  • 売上向上
  • 離職防止
  • 採用強化
  • 生産性改善

につながる可能性があります。

しかし、短期間で数値化しにくいため、
「本当に意味があるのか」と判断されやすい側面があります。

だからこそ最近では、“健康”ではなく、
“組織パフォーマンス”として評価する流れが強くなっています。


短期成果を求めすぎると失敗しやすい

健康経営は、数ヶ月で劇的に変わる施策ではありません。

特に、

  • 睡眠
  • メンタル
  • 組織文化
  • マネジメント

などは、継続によって少しずつ改善していく領域です。

しかし短期成果だけを求めると、
「成果が見えないから終了」となり、定着しないケースも少なくありません。




中小企業が健康経営で特に直面しやすい課題

大企業の成功事例をそのまま真似すると続かない

中小企業で多い失敗が、
「大企業の事例をそのまま導入すること」です。

しかし実際には、

  • 人員
  • 予算
  • 管理体制
  • 社内文化

が大きく異なります。

そのため、大規模施策よりも、
「小さく始める」
「継続できる」ことの方が重要になります。


高齢化によって“働ける期間”の課題が大きくなっている

中小企業では、従業員の平均年齢が上がっている企業も少なくありません。

その結果、

  • 慢性疲労
  • 生活習慣病
  • 睡眠課題
  • メンタル不調

などが、生産性や離職へ直結しやすくなっています。
特に近年は、「長く健康に働けること」自体が経営課題になり始めています。


管理職が“疲弊の起点”になっているケースもある

健康経営で見落とされやすいのが、管理職です。

実際には、

  • 長時間労働
  • プレッシャー
  • 板挟み状態

などによって、
管理職自身が疲弊しているケースも少なくありません。

さらに、管理職の状態は、

  • チームの雰囲気
  • 心理的安全性
  • 離職率

にも大きく影響します。

そのため最近では、
“一般社員向け施策”だけではなく、
管理職向け健康教育の重要性も高まっています。


健康経営の課題を解決する5つの施策

1. 「健康施策」ではなく“経営課題”として設計する

健康経営が失敗しやすい企業ほど、
「とりあえず健康に良さそうなことをやる」状態になっています。

しかし本来重要なのは、

  • 離職率を下げたいのか
  • 採用力を上げたいのか
  • プレゼンティーズムを改善したいのか
  • 管理職疲弊を改善したいのか

を明確にすることです。

実際、健康経営は「健康活動」が目的ではなく、
“組織パフォーマンス改善”につながって初めて意味があります。

そのため最初に、
「自社は何を改善したいのか」を整理することが重要になります。

たとえば最近では、

「若手離職が増えている」
「管理職が疲弊している」
「メンタル不調による休職が増えている」

といった課題から、
睡眠改善やプレゼンティーズム対策へ取り組む企業も増えています。

健康経営は、“健康そのもの”ではなく、
“経営課題解決の手段”として考えることが重要です。


2. “意識が高い人向け施策”をやめる

健康経営で多い失敗が、
「意識が高い人しか参加しない施策」になることです。

たとえば、

  • 毎日の運動記録
  • 厳しい食事管理
  • 長時間の研修

などは、一部の人しか続きません。

しかし実際に支援が必要なのは、

  • 忙しい人
  • 疲れている人
  • 管理職
  • 高ストレス者

であるケースも少なくありません。

そのため重要なのは、
「忙しくてもできる」「頑張らなくても続く」施策設計です。

健康経営は、“やる気がある人をさらに健康にする”ものではなく、
“疲れている人でも参加できる設計”にすることが重要です。

特に近年は、
「行動変容ハードルを下げること」が重視されています。

完璧な改善を求めるよりも、
「まず1つだけ変える」「今日からできる」
という設計の方が、参加率や継続率が高まりやすいのです。



3. 「知識提供」だけで終わらせず行動変容まで設計する

健康経営でよくあるのが、「セミナーを開催して終わり」という状態です。

しかし実際には、
ほとんどの人が「健康に良いこと」はすでに知っています。

問題は、“知っているけどできない”ことです。

だからこそ重要なのは、

  • 今日からできる
  • ハードルが低い
  • 実践しやすい
  • 続けやすい

改善に落とし込むことです。

さらに、
「計測・実践・フィードバック・再測定」
まで設計することで、初めて組織変化につながりやすくなります。
特に睡眠やメンタルは、「意識だけ」で変わるものではありません。

そのため最近では、一方的な知識提供よりも、
「実際に行動してみる」
「小さな成功体験を積む」
といった行動変容設計を重視する企業が増えています。


4. 管理職から先に整える

実は、健康経営で
最も疲弊しているのが管理職であるケースも少なくありません。

管理職は、

  • 長時間労働
  • プレッシャー
  • 部下対応
  • 上層部との板挟み

などによって、慢性的に疲弊しやすい立場です。


さらに、管理職の状態は、

  • チームの空気
  • 心理的安全性
  • 離職率
  • エンゲージメント

にも大きく影響します。

つまり健康経営では、
「全社員向け施策」だけではなく、“管理職改善”が非常に重要なのです。

実際、管理職自身が疲弊していると、

「休みづらい空気」
「長時間労働文化」
「相談しにくい雰囲気」

が組織全体へ広がりやすくなります。

反対に、管理職のコンディションが整うことで、
コミュニケーション改善やチームの安定につながるケースも少なくありません。


5. 「健康データ」ではなく“経営データ”として測定する

健康経営が形骸化しやすい理由のひとつが、「健康データだけ」を見ていることです。

たとえば、
「体重・歩数・参加率」
だけでは、経営インパクトが見えにくくなります。

最近では、

  • プレゼンティーズム
  • 離職率
  • 睡眠状態
  • ストレス値
  • eNPS
  • 業務ミス

など、“組織パフォーマンス”とセットで測定する企業が増えています。

健康経営は、「健康のための活動」ではなく、
“組織成果につながるか”という視点で評価することが重要なのです。

特に経営層へ説明する際には、
「何人参加したか」ではなく、

「どれくらい生産性改善につながったか」
「離職やメンタル不調予防へどう影響したか」という視点が重要になります。

そのため近年は、“健康データ”ではなく、
“経営データ”として健康経営を見る企業が増えているのです。



健康経営の課題を乗り越えた取り組み事例

事例1|株式会社小林クリエイト様|「健康意識が高い人しか参加しない」課題を改善

株式会社小林クリエイトでは、以前から運動などに取り組んでいたものの、
「参加者が少なく固定化してしまう」という課題がありました。
特に運動施策や健康イベントは、元々健康意識が高い社員の参加に偏りやすく、
本当に支援が必要な層へ届きにくい状態だったそうです。

そこで、Lifreeと連携し、「健康」ではなく
“仕事のパフォーマンス改善”をテーマに睡眠施策を実施。
睡眠状態や疲労状態を可視化しながら、
忙しい社員でも実践しやすい内容へ設計を変更しました。

その結果、それまで約30名規模だった施策参加人数が500名規模まで増加。
年間で1000人以上参加。
「睡眠は自分にも関係がある」と感じる社員が増えたことで、
社内全体の健康意識向上にもつながりました。

事例2|ホロスプランニング株式会社|“やるだけ健康経営”から組織改善へ転換

ホロスプランニング株式会社では、以前から健康施策は実施していたものの
「イベントをやって終わりになりやすい」という課題を抱えていました。

そこでLifreeでは、単発セミナーではなく、
睡眠状態の計測・実践・フィードバック・再測定まで含めた改善型プログラムを実施。
単なる知識提供ではなく、“行動変容”を重視した設計へ切り替えました。

その結果、チーム売上157%向上、業務ミス34件から4件へ減少という変化が発生。
さらに、「チーム内の会話が増えた」「管理職の雰囲気が変わった」といった声も増え、
コミュニケーションや主体性改善にもつながりました。

健康経営を“福利厚生”ではなく、“組織パフォーマンス改善”として活用した事例と言えます。

健康経営を成功させるために押さえるべきポイント

経営層と担当者で健康経営のねらいを共有する

健康経営は、「健康に良いことをやる活動」になってしまうと、形骸化しやすくなります。

重要なのは、

  • 離職率を下げたいのか
  • 採用力を高めたいのか
  • 生産性を改善したいのか
  • プレゼンティーズムを減らしたいのか

など、“何のために取り組むのか”を経営層と担当者で共有することです。

特に担当者だけが熱量を持っていても、
経営層の理解が不足していると、途中で優先順位が下がってしまうケースも少なくありません。

反対に、経営層が「健康は経営課題」として発信している企業ほど、
従業員への浸透や継続率が高い傾向があります。

そのため健康経営では、「施策を増やすこと」よりも、
“目的を共有すること”が最初の重要ポイントになります。

長期視点で継続的に取り組む

健康経営は、短期間で劇的な成果を出すものではありません。

特に、

  • 睡眠改善
  • メンタル不調予防
  • 組織文化改善
  • 管理職マネジメント改善

などは、数ヶ月〜数年単位で少しずつ変化していく領域です。

しかし実際には、
「すぐ成果が見えない」
「参加率が伸びない」という理由で、
途中で施策が止まってしまう企業も少なくありません。

重要なのは、
“完璧な施策”を目指すことではなく、「小さく始めて改善し続けること」です。

最近では、単発イベント型ではなく、

計測・実践・フィードバック・再測定

を繰り返しながら、
継続的に改善していく企業ほど成果が出やすい傾向があります。

外部パートナーや支援サービスを上手に活用する

中小企業では、人事・総務担当者が他業務と兼任しているケースも多く
健康経営まで十分に手が回らないことも少なくありません。

さらに、睡眠やメンタル、プレゼンティーズムなどは専門性が高く、
社内だけで進めるには限界があるケースもあります。

また健康課題は、プライベートに近いテーマでもあるため、
社内主導だけでは従業員が本音を出しづらいこともあります。

そのため最近では、第三者性を持つ外部パートナーを活用し、

  • 従業員が相談しやすい環境づくり
  • 行動変容支援
  • 効果測定
  • 継続フォロー

まで含めて伴走してもらう企業も増えています。

限られたリソースで成果を出すためには、
「すべて自社で抱え込まない」という視点も重要なのです。

まとめ

健康経営は、多くの企業にとって重要性が高まる一方で、

  • ノウハウ不足
  • 人手不足
  • 予算不足
  • 効果測定の難しさ

など、多くの課題も存在します。
しかし重要なのは、“完璧にやること”ではありません。

自社に合った形で、
小さく始めながら継続することが、健康経営成功への第一歩になります。

アバター画像

サトウ未来

睡眠コーチ/Lifree株式会社 代表取締役。
忙しいビジネスパーソンの生産性向上を目的とした
睡眠改善セミナーや実践プログラムを提供し、
これまで10万人以上の睡眠改善を支援。
光文社より書籍『働く女子の睡眠革命』を出版。
睡眠・回復を身体構造の分野から捉え、現場
経験をもとに実践型の指導を行う。