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健康経営戦略マップとは?6つの記入欄と作り方5ステップを図解で解説

[最終更新日:2026-08-28]

「健康経営戦略マップを作ることになったけれど、何を書けばいいのかわからない」
「他社の戦略マップを見ても、自社の場合にどう当てはめればいいのかわからない」
「KPIとKGIの違いが曖昧で、どんな数字を設定すればいいのかわからない」


健康経営優良法人やホワイト500を目指す企業の
人事・総務・健康経営担当者から、このような声を聞くことがあります。

健康経営戦略マップというと、
経済産業省のフォーマットに沿って項目を埋めていく資料のように思われがちです。

しかし、本来の目的は「マップを完成させること」ではありません。

自社は何のために健康経営を行うのか。
そのために従業員のどんな健康課題を解決し、
どんな施策を行い、何を指標として成果を確認するのか。

これらを一本のストーリーとして整理することが、健康経営戦略マップの重要な役割です。

Lifreeでも企業の健康施策をご支援する中で、
成果が出やすい企業ほど「とりあえず健康セミナーを実施する」という考え方ではなく、
従業員の課題を把握し、その課題から施策と評価指標を考えています。

反対に、既存施策を先に並べ、
後からKPIを当てはめてしまうと、健康経営そのものが形骸化しやすくなります。

本記事では、健康経営戦略マップとは何かという基本から、
6つの記入要素、KPI・KGIの考え方、具体的な作り方まで解説します。

さらに後半では、運輸業を例に「安全にお客様を輸送する」という経営方針から、
睡眠施策やKPIへどのようにつなげるのかも具体的に紹介します。

目次

健康経営戦略マップとは?

健康経営戦略マップとは、
企業の経営方針と従業員の健康課題、健康施策、KPI・KGIのつながりを整理し、
健康経営の全体像を一枚で可視化するものです。

最大の目的は、
「なぜこの施策を行うのか」を説明できるようにすることです。

例えば、単に「睡眠は大切だから睡眠セミナーを行う」
だけでは、経営とのつながりは見えません。

一方で、
「安全性の向上」という経営方針

日中の眠気や睡眠不足という従業員課題

睡眠施策の実施

睡眠休養感や眠気の改善

健康に起因する事故の減少

までつながれば、睡眠セミナーは福利厚生ではなく
経営課題を解決するための健康投資になります。

健康経営戦略マップは、この一連のつながりを整理するためのものです。

健康経営戦略マップを作成する4つのメリット

施策とKPI・KGIのつながりの過不足を確認できる

戦略マップを作るメリットの一つは、現在行っている健康施策を俯瞰できることです。

企業では、健康診断、ストレスチェック、運動イベント、
メンタルヘルス研修、睡眠セミナーなど、さまざまな取り組みが個別に行われています。

しかし
「なぜこの施策をやっているのか」
「どの健康課題を改善するためなのか」
「何が変われば成功なのか」

まで整理されていないケースも少なくありません。

戦略マップに落とし込むことで
施策と課題、KPI、KGIのつながりが見えるようになります。

すると「この課題に対する施策が不足している」
「同じ目的の施策が重複している」といったことにも気づきやすくなります。

経営層から現場まで取り組みの共通認識をつくれる

健康経営担当者にとって大きな悩みの一つが、経営層への説明です。

例えば、
「来年度、睡眠改善施策に50万円の予算が必要です」と説明するだけでは
「なぜ睡眠なのか」「50万円を投資して何が変わるのか」が経営側には伝わりません。


しかし戦略マップで、

経営方針

従業員の健康課題

改善目標

KPI・KGI

必要な施策

健康投資

までを整理すれば、施策の必要性を経営課題と結びつけて説明できます。

戦略マップは健康経営担当者だけが使う資料ではありません。
経営層と健康経営担当者が「なぜこの施策に投資するのか」を話し合うための共通言語として活用できます。

KPIとKGIをもとに健康経営のPDCAを回せる

健康施策でありがちな失敗が、「実施して終わる」ことです。

例えばセミナーを開催し、
「100人参加しました」
「満足度95%でした」
という結果だけで翌年度も同じ施策を続けるケースがあります。

もちろん参加率や満足度も重要です。
しかし、健康経営の目的はセミナーに参加してもらうことではありません。

その先で従業員の行動や健康状態が変化し、
最終的に働く上での課題が改善することが重要です。

戦略マップでKPI・KGIを設定しておけば
「実施したか」ではなく「変化したか」を継続して評価できるようになります。

投資家や取引先への情報開示に活用できる

健康経営戦略マップは社内管理だけでなく、外部への情報開示にも活用できます。

経済産業省の健康投資管理会計ガイドラインでも、
健康投資に関する情報は内部管理だけでなく、外部への情報開示にも活用する考え方が示されています。

自社サイトや統合報告書などで戦略マップを公開すれば
「健康経営をしています」という宣言だけではなく、

・何を課題としているのか。
・何を目指しているのか。
・どのような施策を行っているのか。
・どの指標で成果を測定しているのか。
までステークホルダーに示すことができます。

人的資本経営が重視される現在では、
このような一貫性のある説明そのものが企業価値を伝える材料になります。

2025年3月改訂版での変更点

2025年3月に公表された改訂版「健康経営ガイドブック」では、
施策を実施するだけでなく、経営戦略とのつながりや成果を意識することがより重要になっています。

戦略マップを作成する際は、主に次のポイントを意識しましょう。

  • 経営方針と健康経営の目標をつなげる
  • 従業員の健康課題を明確にする
  • 健康課題に合った健康投資・施策を設定する
  • KPI・KGIを設定して成果を確認する
  • 経営層も健康経営に関与する
  • 定期的に結果を確認し、戦略マップを見直す

つまり、戦略マップは「認定に必要な施策を並べる資料」ではなく、

経営方針 → 健康課題 → 健康投資 → KPI → KGI

という一貫したストーリーを整理するものです。

作成する順番に唯一の正解はありません。
自社の状況に合わせて作成し、最終的にそれぞれの項目がきちんとつながっていることが重要です。

健康経営戦略マップのフレームと記入する6つの要素

①経営方針・健康経営の推進方針・目標|マップの出発点

最初に整理したいのが、企業として何を目指しているのかです。
「健康な社員を増やす」だけではなく、経営方針との関係まで考えます。

例えば運輸会社であれば「安全にお客様を輸送する」
IT企業であれば「一人ひとりが高い創造性を発揮できる組織をつくる」などが考えられます。

この部分は健康経営担当者だけで決めるのではなく、経営層と認識を合わせることが重要です。

②KGI|目標の達成状況を測る指標と目標年

KGIは、健康経営によって最終的に実現したい状態を測る指標です。

ここで注意したいのが、売上高や利益率など
健康施策との因果関係が遠すぎる指標を無理に設定しないことです。

もちろん健康経営が長期的に企業業績へ影響する可能性はあります。

しかし「睡眠セミナーを行ったから売上が上がった」と直接結びつけることは難しいでしょう。

Lifreeでは、その一歩手前にある健康状態やパフォーマンスを
KGIとして設定する方が、施策との因果関係を評価しやすいと考えています。

例えば
・プレゼンティーズム
・睡眠休養感
・健康に起因する事故件数
・メンタル不調による休職率などです。

また「2027年度までに○%」など、目標年も合わせて設定します。

③従業員の健康課題|重点的に対応すると決めた課題

健康経営で最も重要な部分の一つです。

会社が取り組みたいテーマではなく、従業員が実際に何に困っているのかを把握します。
健康診断やストレスチェックだけでなく、従業員アンケート、
睡眠調査、プレゼンティーズム調査、ヒアリングなども活用できます。

例えば、
「日中の眠気が強い」
「疲労が取れていない」
「管理職のストレスが高い」
「腰痛による仕事への支障が大きい」
など、従業員の実態を把握した上で優先順位を決めます。

従業員のお困りごとを解決する姿勢から健康経営を設計することが、参加率や行動変容にもつながります。

④健康投資|実施中・実施予定の具体的な施策

健康課題が分かったら、その課題を改善するための施策を考えます。

例えば睡眠課題であれば、
睡眠研修だけが選択肢ではありません。

勤務制度の見直し、夜勤者への支援、SAS対策、
個別支援、睡眠改善プログラムなど複数の方法があります。

重要なのは、
「毎年やっているから今年もやる」ではなく、
「この健康課題を改善するために、この施策が必要である」と説明できることです。

⑤3レベルのKPI|取組み状況・意識行動変容・健康関連の最終目標

KPIは一つではなく、段階的に考えると設計しやすくなります。

Lifreeでは、企業の健康経営の成熟度に合わせて、
参加 → 行動変容 → 健康状態 → 仕事への影響 という流れで見ることをおすすめしています。

健康経営を始めたばかりの企業なら、
まず「従業員に知ってもらう」「参加してもらう」ことが重要なので、
参加率をKPIにすることにも十分意味があります。

しかし、ある程度認知や参加が広がった企業が何年も参加率だけを追っていては
健康経営は次の段階へ進みません。

そこで次は、行動変容率、健康状態、プレゼンティーズムなどへ評価指標を進化させます。

⑥健康風土の醸成|浸透状況・体制・組織的支援

健康経営は、個人の努力だけでは続きません。

管理職の理解、経営層からのメッセージ、
相談体制、職場環境など、従業員が健康行動を取りやすい組織づくりも必要です。

例えば「睡眠時間を確保しましょう」と研修で伝えている一方で、
夜遅くまでメールへの返信を求める文化があれば、施策と組織風土が矛盾してしまいます。

個人への教育と、健康的な行動を取りやすい環境づくりを両輪で考えることが重要です。

健康経営戦略マップに設定するKPIの具体例

施策の取組み状況に関する指標|まずは「刺さっているか」を確認する

健康経営の初期段階では、施策が従業員に刺さっているを確認します。

例えば、セミナー参加率、健康診断受診率、
ストレスチェック受検率、プログラム参加率などです。

健康経営を始めたばかりで参加率が20%しかない企業なら、
いきなりプレゼンティーズム改善だけを追うより
「まず多くの従業員に参加してもらう」という目標にも意味があります。

ただし、参加率はゴールではありません。

企業の成熟度に合わせて次の指標へ進むことが重要です。

意識変容・行動変容に関する指標|「知った」から「やった」へ

次に見るのが、実際に従業員の行動が変わったかです。

例えば睡眠研修なら
「睡眠について理解できた」だけではなく、

「起床時間を整えるようになった」
「夜のスマートフォン利用を見直した」
「仮眠を適切に取るようになった」など、実際の行動変容を測定します。

満足度95%でも、誰も行動を変えていなければ
本来の目的を達成したとは言い切れません。

Lifreeでも、満足度だけでなく
その後に何が変わったかを見ることを重視しています。

健康関連の最終的な目標指標|健康状態から仕事への影響を見る

行動が変わった次に確認したいのが、健康状態の変化です。

睡眠施策なら、睡眠休養感、不眠、日中の眠気などが考えられます。
さらに成熟した健康経営では、その先の「仕事への影響」まで確認します。

代表的な指標として、
プレゼンティーズム、アブセンティーズム、ワークエンゲイジメントなどがあります。

つまり、
参加したか → 行動したか → 健康状態が変わったか → 働き方やパフォーマンスに変化したか
まで一本につなげることで、健康投資の成果を説明しやすくなります。

プレゼンティーズム・アブセンティーズムの測定方法と選び方

プレゼンティーズムは、出勤しているものの健康上の理由によって
本来のパフォーマンスを発揮できていない状態を表します。

一方、アブセンティーズムは、健康問題による欠勤や休職などを表す指標です。

どちらか一方だけを見るのではなく、自社の課題に応じて選びます。

例えば欠勤者は少ないものの、
「疲れている」「集中できない」という従業員が多い会社では、
プレゼンティーズムの方が変化を捉えやすい場合があります。

反対に、メンタル不調による長期休職が経営課題になっている企業では、
アブセンティーズムも重要です。

すべての企業が同じ指標を設定する必要はありません。
自社が解決したい課題に対して、最も変化を捉えやすい指標を選ぶことが大切です。


健康経営戦略マップの作り方5ステップ

STEP1 経営方針から健康経営の推進方針と目標を決める

最初に、「なぜ自社は健康経営を行うのか」を経営層と話し合います。

ここを健康経営担当者だけで決めてしまうと、後から経営方針とのズレが生まれます。
安全性、生産性、人材定着、従業員幸福など、自社の経営戦略との接点を見つけます。

STEP2 健診・ストレスチェック・従業員調査から健康課題を洗い出す

次に、従業員の状態を把握します。

健康診断、ストレスチェック、健康スコアリングレポートに加え
必要に応じて従業員アンケートや睡眠サーベイなどを実施します。

数字だけでは分からない場合は、従業員へのヒアリングも有効です。

重要なのは「会社として何をやりたいか」ではなく、「従業員は何に困っているのか」を知ることです。


STEP3 抽出した健康課題を踏まえてKGIと目標年を設定する

健康課題が分かったら、最終的にどの状態を目指すのかを決めます。

ただし、初年度から無理に「○%改善」と設定する必要はありません。
まだ基準値がない企業なら、

1年目:測定してベースラインをつくる
2年目:改善目標を設定する
3年目以降:結果を踏まえて施策を最適化する

という進め方でも問題ありません。

健康経営は単年度で完成させるものではなく、継続して育てていくものだからです。

STEP4 健康投資(施策)と3レベルのKPIを紐づけて設定する

KGIを決めたら、そこへ到達するための施策とKPIを考えます。

例えば睡眠課題なら、

睡眠研修を実施する

改善行動を実践する人を増やす

睡眠休養感や日中の眠気を改善する

プレゼンティーズムを改善する

という流れをつくります。

「研修参加率90%」だけで終わらせず
その先に何を変えたいのかまで設計することがポイントです。

STEP5 健康課題からKPI・KGIまでのつながりを俯瞰して確認する

最後にマップ全体を見渡します。

見るべきなのは、枠がすべて埋まっているかではありません。

「本当にこの施策でこのKPIが変わるのか」
「KPIが改善すればKGIにつながるのか」
「従業員が困っている課題に対する施策になっているか」を確認します。

つながりが弱い部分があれば、施策やKPIを見直します。

健康経営戦略マップの記入例|運輸業のケーススタディ

ここでは「安全にお客様を輸送する」を経営方針とする運輸会社を例に考えてみましょう。

経営方針「安全にお客様を輸送する」から推進方針と目標を記載する

運輸業にとって安全は重要な経営課題です。

そこで、
経営方針:安全にお客様を輸送するから、
健康経営の推進方針:従業員が心身ともに良好な状態で勤務できる環境をつくる

さらに、
目標:健康に起因する事故をゼロにするとつなげます。

施策の棚卸しからKGI「睡眠で休養が取れている従業員比率」を設定する

従業員調査を行ったところ、
睡眠で十分な休養が取れていない従業員や、
勤務中に強い眠気を感じる従業員が多かったとします。

この場合、事故防止という経営課題と睡眠課題には一定のつながりがあります。

そこで、
「睡眠で休養が取れている従業員の割合を増やす」
ことを健康領域のKGIとして設定します。

さらに日中の眠気やプレゼンティーズムなども
補助指標として測定すると、より多面的に変化を確認できます。

睡眠研修や勤務制度の見直しを施策とKPIに落とし込む

睡眠課題が分かったからといって、睡眠研修だけで解決できるとは限りません。

個人の生活習慣だけでなく、
勤務時間やシフト、休憩環境などが睡眠を妨げている可能性もあるからです。

そこで、睡眠研修、睡眠改善プログラム、
勤務制度の見直し、仮眠環境の整備、SAS対策などを検討します。

評価についても参加率だけではなく、
行動変容率、睡眠休養感、日中の眠気、プレゼンティーズム
などを測定します。

これによって、「研修を実施した」から
「実際に何が変わったか」まで評価できるようになります。

施策が不足していないかを確認して追加する

戦略マップを作ると、施策の不足にも気づけます。

例えば、
「睡眠について教育しているのに、勤務制度は変わっていない」
のであれば、個人だけに改善を求めている可能性があります。

逆に勤務制度だけ変えても、
従業員自身が睡眠の取り方を理解していなければ十分に活用されないかもしれません。

教育・制度・環境を組み合わせながら、
KGIにつながる施策になっているかを確認することが重要です。


作成した健康経営戦略マップの活用方法

経営レベルの会議で共有して予算と推進体制を確保する

戦略マップは完成させて保管する資料ではありません。

経営会議などで活用することで、健康施策への投資理由を説明できます。
「睡眠研修に50万円必要です」ではなく、
「安全という経営課題に対して、従業員調査から睡眠課題が判明し、
その改善のためにこの施策が必要です」と説明できれば、予算の意味が大きく変わります。

健康経営を「人事の施策」から
「経営課題を解決する投資」へ変えるためにも、戦略マップを活用しましょう。

KPIの評価結果を次期推進計画の検討材料にする

KPIは評価するためだけの数字ではありません。
次の施策を決めるための材料です。

例えば参加率は高いのに行動変容率が低ければ、
研修内容や実践支援を見直す必要があります。

行動変容率は高いのに健康状態が変わらなければ、
取り組んでいる行動自体を再検討する必要があるかもしれません。

KPIが悪かったことを失敗と考えるのではなく
「次に何を変えるべきかが分かった」と捉えることがPDCAでは重要です。

従業員へ結果を返し「自分たちの健康経営」に変える

Lifreeが企業支援の現場で
特に重要だと感じているのが、従業員へのフィードバックです。

調査だけ実施して結果を返さなければ
従業員には「何のために回答したのだろう」という感覚が残ります。

一方、
「皆さんへの調査から、睡眠に困っている方が多いことが分かりました。
そのため今年度は睡眠施策を実施します」

と説明し、さらに施策後に、
「睡眠休養感がこれだけ改善しました」と返す。
すると従業員の受け止め方が変わります。

「会社に健康施策をやらされている」から、
「会社が自分たちの意見や状態を見て動いてくれている」へ変わるのです。

この実感が生まれると、次のアンケートやヒアリングでも
従業員からより質の高いフィードバックが集まりやすくなります。

その声を再び施策へ反映することで、会社と従業員の間に好循環が生まれます。

自社サイトや統合報告書で開示しステークホルダーに示す

戦略マップは外部開示にも活用できます。

単に「健康経営優良法人です」と伝えるだけでなく、
経営戦略、健康課題、施策、KPI・KGIまで示すことで、
自社がどのような考え方で人的資本へ投資しているのかを説明できます。

また他社が公開している戦略マップを見ることも、自社の改善には有効です。

ただし、そのまま真似するのではなく
「なぜこの会社はこのKPIを設定しているのか」という背景まで考えて参考にしましょう。

健康経営戦略マップの作成でつまずきやすい4つの注意点

売上高や利益率などの経営指標をそのままKGIにしない

「健康経営は経営戦略なのだから、KGIは売上高にしよう」と考えたくなるかもしれません。

しかし健康施策から売上までには、さまざまな要因が介在します。

そこで、その手前にあるプレゼンティーズム、健康状態、休職率などを置き
健康施策との因果関係を確認しやすくすることが重要です。

既存施策ありきで戦略マップを作らない

健康診断をやっている。
運動イベントをやっている。
睡眠セミナーをやっている。

これらを先に並べて、後から「何かKPIをつけよう」と考えると
戦略マップは形だけになりやすくなります。

まず見るべきなのは従業員の健康課題です!

従業員のお困りごと → 目標 → 施策という順番を意識しましょう。

企業のステージが変わっても同じKPIを追い続けない

健康経営を始めたばかりの企業なら、参加率をKPIにすることには意味があります。

しかし認知が十分に広がった後も、
何年間も「参加率80%」だけを追っていては成果が見えません。

次は行動変容、その次は健康状態、さらに仕事への影響へ。

健康経営の成熟度に合わせてKPIも進化させることが重要です。

初年度から完璧なマップを作ろうとしない

健康経営戦略マップは、一度完成したら終わりではありません。
特に初めて作る企業では、まだ基準となるデータがないこともあります。

その場合は、まず測定する。
翌年、基準値をもとに目標を設定する。
さらに結果を見ながら施策を改善する。

このように数年かけて精度を高めても問題ありません。

健康経営戦略マップに唯一の正解があるわけではなく、
企業の実践を通じて試行錯誤しながら見直していくことが重要です。

まとめ

健康経営戦略マップは、
健康経営優良法人やホワイト500のためだけに作る資料ではありません。

本来の価値は、

「なぜ健康経営をするのか」
「従業員は何に困っているのか」
「何を変えたいのか」
「そのために何をするのか」
「成果を何で判断するのか」

を一本につなげることにあります。

特に大切なのは、会社が実施したい施策から考えるのではなく
従業員の実態から考えることです。

そしてKPIも、ずっと同じものを追い続ける必要はありません。
健康経営を始めたばかりなら、まずは認知や参加を広げる。

次に行動変容を見る。
さらに健康状態の改善を確認する。
そして最終的には、プレゼンティーズムなど仕事への影響まで確認する。

参加 → 行動変容 → 健康状態 → 仕事への影響

と評価を進化させることで、健康経営は「施策を実施する活動」から
「経営課題を改善する活動」へ変わっていきます。

Lifreeが企業の健康施策をご支援してきた中でも、
従業員の声や状態を施策に反映し、その結果を再び従業員へ返している企業ほど
健康施策への納得感が高まり、次のフィードバックの質も高くなる傾向があります。

戦略マップは、その好循環を設計するための道具でもあります。
最初から完璧な一枚を作る必要はありません。

自社の経営方針と従業員のお困りごとを起点に作成し、
毎年データを見ながら更新していく。

それこそが、健康経営戦略マップを認定取得のための
「提出物」で終わらせず、本当に経営に役立つものにする方法です。


睡眠に困ったときは専門家に相談を

「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。
Lifree株式会社では、ビジネスパーソン向けに
パフォーマンスを最大化するための睡眠改善プログラムを提供しています。

睡眠の質を高め、日中の生産性を向上させる具体的な方法を知りたい方は
ぜひLifree株式会社までお問い合わせください。

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サトウ未来

睡眠コーチ/Lifree株式会社 代表取締役。
忙しいビジネスパーソンの生産性向上を目的とした
睡眠改善セミナーや実践プログラムを提供し、
これまで10万人以上の睡眠改善を支援。
光文社より書籍『働く女子の睡眠革命』を出版。
睡眠・回復を身体構造の分野から捉え、現場
経験をもとに実践型の指導を行う。