子育て・介護世代の従業員を支える“睡眠施策”とは?

介護と仕事を両立する時代に、人事が最初に整えるべきもの

「夜中に親の見守りで何度も起こされる」
「介護の不安で眠りが浅く、朝から頭が回らない」
「仕事中は気を張っているが、家に帰ると一気に疲れが出る」

こうした声は、もはや一部の従業員だけの問題ではありません。
介護×仕事×睡眠不足は、今や多くの企業が直面する“静かな経営リスク”です。

 

特に40〜50代のビジネスパーソンは、
・管理職としての責任
・親の介護
・場合によっては子育ても重なる「ダブルケア」
という状況に置かれやすく、
慢性的な睡眠不足を抱えたまま働いているケースが非常に多く見られます。

 

本記事では、人事・健康担当者が押さえておくべき

・介護世代の従業員が直面する「睡眠問題の実態」
・睡眠不足が企業に与える影響
・企業が現実的に取り組める「睡眠施策」

を、Lifreeの現場経験をもとに解説します。

 

 

1. 介護世代の従業員に広がる「睡眠不足」という見えにくい課題

1-1. 介護による睡眠不足は「量」より「分断」が問題

介護を担う従業員の多くは、
「全く眠れていない」わけではありません。

問題は、

・夜間の見守り
・トイレ介助
・徘徊や転倒への不安

によって、睡眠が細切れに分断されていることです。
Lifreeが行ってきた睡眠サポートでも、
介護中の方の多くは
「合計すると6〜7時間は寝ているが、熟睡感がない」と訴えます。

これは、深い睡眠(ノンレム睡眠)が確保できていない状態であり、
脳と自律神経が回復しきらないまま翌日を迎えてしまうのです。

 

 

1-2. 「眠れない」ことを自覚しにくい介護社員の特徴

介護世代の従業員には、次のような傾向があります。

・「自分より大変な人がいる」と我慢する
・仕事では弱音を吐かない
・睡眠不足を“年齢のせい”にしてしまう

結果として、不調が表に出たときにはすでに限界、というケースも少なくありません。
人事・健康担当者にとって難しいのは、
介護による睡眠不足はストレスチェックだけでは拾いにくいという点です。

 

 

1-3. ダブルケア社員の増加が示す構造的問題

少子高齢化の進行により、
「子育てと介護を同時に担うダブルケア社員」は確実に増えています。
内閣府の調査では、ダブルケア経験者は全国で約25万人とも言われており、

今後さらに増加することが予想されています。
この層の特徴は、

・自分の睡眠・休養が最優先から外れやすい
・夜間対応が複数要因で発生する
・相談先が分散し、孤立しやすい

睡眠不足が常態化しやすい構造そのものを抱えているのです。

 

 

2. 介護による睡眠不足が企業に与えるインパクト

2-1. プレゼンティーズムという“見えない損失”

経済産業省のデータでは、
睡眠不足によるプレゼンティーズム(出勤しているが生産性が低い状態)の損失は、
年間数十万円/人規模と試算されています。

Lifreeが支援した企業でも、
介護世代の従業員は

・判断スピードの低下
・ケアレスミスの増加
・午後以降の集中力低下

が顕著でした。
これは能力の問題ではなく、睡眠による脳の回復不足です。

 

 

2-2. メンタル不調・離職につながる連鎖

慢性的な睡眠不足は、

・抑うつ
・不安感
・イライラ

を強めやすく、メンタル不調の引き金になります。
介護世代の従業員は責任感が強いため、

 

「休む」「相談する」という選択が遅れがちです。
結果として、突然の休職・退職という形で企業に表面化するケースも少なくありません。

 

 

2-3. 管理職層への影響は組織全体に波及する

介護世代は、管理職・中核人材と重なりやすい層です。
この層の睡眠不足は、

・部下への対応の質
・チームの心理的安全性
・組織全体の雰囲気

にまで影響します。

睡眠施策は、個人支援であると同時に組織施策でもあるのです。

 

 

3. 人事・健康担当者ができる「介護×睡眠」施策

3-1. 柔軟な働き方は「睡眠回復」のために使う

フレックスや在宅勤務は、
単なる制度導入では効果が出ません。

 

重要なのは、
「夜に起こされた翌朝、睡眠を取り戻せる余白」を作ること

・勤務開始時刻の柔軟化
・中抜け・分割勤務の許容
・介護対応後の業務量調整

 

Lifreeの支援先では、
「介護がある日は午前の会議を外す」だけで、
パフォーマンスが安定したケースもあります。

 

 

3-2. 睡眠を“自己責任”にしない教育

多くの介護社員は、
「眠れないのは仕方ない」と諦めています。

だからこそ、

・介護中でも睡眠の質を守る工夫
・分断睡眠への対処法
・短時間でも回復力を高める方法

を伝える睡眠リテラシー教育が重要です。

Lifreeでは、「睡眠はスキルで改善できる」
という視点を伝えることで、自己効力感の回復につなげています。

 

 

3-3. ストレスチェック後の“次の一手”としての睡眠施策

介護による不調は、

・本人が申告しにくい
・個人特定が難しい

という特徴があります。

そこで有効なのが、
全体施策としての睡眠改善プログラムです。

「メンタル不調者への対応」ではなく、
「働く人全員の回復力を高める施策」として導入することで、
介護世代にも自然に支援が届きます。

 

 

3-4. 家族を含めた支援設計

介護による睡眠不足は、

本人だけでは解決できません。

・介護者向け睡眠セミナー
・家族も参加できるオンライン講座
・夜間対応を前提にした睡眠アドバイス

家族単位で睡眠を支える視点が、
従業員本人の負担軽減につながります。

 

 

4. Lifreeの支援現場から見えた変化

Lifreeが関わった企業では、
睡眠施策を導入することで、

・不眠スコアの改善
・抑うつスコアの低下
・プレゼンティーズムの改善
・エンゲージメント向上

といった変化が見られました。


特に介護世代の従業員からは、
「会社が“眠れているか”を気にしてくれていると感じた」という声が多く聞かれます。

これは制度以上に、心理的安全性の向上につながります。

 

 

5. まとめ:介護時代の人的資本経営に「睡眠」は欠かせない

介護と仕事の両立において、
睡眠不足は避けられない問題のように見えます。

しかし、

・睡眠を“量”ではなく“回復力”で捉える
・個人任せにせず、企業が土台を整える

ことで、状況は大きく変わります。

睡眠施策は、介護世代を守るための最も現実的で、費用対効果の高い人的資本投資です。
介護をしながらでも「この会社で働き続けられる」

そう思える環境づくりが、これからの企業価値を左右します。

 

 

睡眠に困ったときは専門家に相談を

「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。

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