少しずつ夏が近づいてきましたね。朝の光が強くなり、夜も明るく感じる季節。
「最近なんだか寝つきが悪い」「夜中に目が覚めやすい」
なんて声も、実はこの“光の変化”と関係があるかもしれません。
今日は、意外と知られていない 「光」と「睡眠の質」の関係 について詳しくお話しします。
寝室の明るさを少し工夫するだけで、翌朝のスッキリ感が変わる——。
そんな“眠りのゴールデンルール”を、一緒に見ていきましょう。
結論から言うと、「暗い環境で眠ること」こそが、質の高い睡眠の鍵 です。
なぜなら、私たちの脳とホルモンは“光”によって睡眠モードと覚醒モードを切り替えているからです。
私たちの体内では「メラトニン」というホルモンが、暗くなると分泌されはじめます。
このメラトニンが脳に「もう寝る時間だよ」とサインを送り、深い眠りへ導いてくれるのです。
一方で、寝室が明るかったり、スマホの光を浴びたりすると、このメラトニン分泌が一気にストップ。
結果、眠気が起こらず、眠っても浅い眠りが続いてしまうのです。
実際、スタンフォード大学の研究では、夜に人工光を浴びた人は、メラトニン分泌が約50%低下 したというデータもあります。
つまり、「寝る直前までスマホを見ている」「豆電球をつけっぱなしで寝る」というのは、
眠りのスイッチを自分で切っているのと同じことなんです。
私たちの体には「サーカディアンリズム」と呼ばれる体内時計が備わっています。
これは睡眠だけでなく、ホルモン分泌・体温・代謝など、あらゆる生理機能を24時間リズムで調整している仕組みです。
朝に太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされ「16時間後に眠くなるように」セットされます。
つまり、朝の光は“目覚めのスイッチ”であり、夜の暗さは“眠りのスイッチ”。
このバランスが崩れると、睡眠リズムも乱れていきます。
夜遅くまで明るい照明の中で過ごしたり、スマホを眺めたりすることは、
「まだ昼ですよ」と脳に勘違いさせる行為。
結果、寝つきが悪くなり、翌朝の倦怠感や集中力低下につながってしまいます。
明るい部屋で眠ることで起こる影響は、単に“眠りが浅くなる”だけではありません。
研究によって、以下のような悪影響が報告されています。
メラトニン分泌の低下:睡眠誘発が妨げられ、寝つきが悪くなる。
体内時計の乱れ:夜に眠れず朝起きられない「社会的時差ぼけ」を起こす。
代謝の低下・肥満リスク:メラトニン低下はインスリン感受性にも影響し、太りやすくなる。
うつ病リスクの上昇:ハーバード大学の研究では、睡眠不足や光環境の乱れが抑うつ傾向を40%高めると報告。
つまり、夜の明るさはただの“雰囲気”ではなく、心身の健康に直結するリスク要因 なのです。
「完全な真っ暗って、なかなか難しいですよね」という声もよく聞きます。
特に都市部では、街灯・看板・マンションの外灯など、夜でも光が多い環境です。
でも少しの工夫で、光の影響を最小限にすることができます。
外からの光漏れを防ぐには、遮光1級カーテンがおすすめ。
朝の強い光をカットできるので、睡眠時間を一定に保ちやすくなります。
寝る直前にいきなり電気を消すのではなく、1〜2時間前から段階的に照明を落とすことが大切。
温かみのあるオレンジ色(2700K以下)の光に切り替えると、リラックスモードに入りやすくなります。
スマホのブルーライトは脳を強制的に覚醒させます。
どうしても見たい場合は「ナイトモード」+「画面の明るさを最小」に設定を。
どうしても真っ暗が不安な方は、足元の方に小さく光源を置くのがおすすめ。
目の近くに光があると、脳が「昼間」と錯覚しやすくなるので注意。
夜に暗くするだけでなく、朝の光も重要です。
起きてすぐカーテンを開けて太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされ、
「夜に自然と眠くなるリズム」が作られます。
光だけでなく、温度・音・思考も眠りの質に影響します。
特に忙しい現代人におすすめの快眠習慣を3つご紹介します。
寝る直前に考えごとをすると脳が活性化します。
紙に書き出して「今日はここまで」と区切るだけでも、入眠スピードが上がります。
眠るとき、深部体温(体の中の温度)が下がることで眠気が訪れます。
エアコンを26℃前後に設定し、軽く布団をかけるのが理想です。
ラベンダーやベルガモットなど、鎮静効果のある精油を焚くことで、
副交感神経が優位になり、自然な眠りをサポートします。
睡眠は「1日をリセットする時間」ではなく、「明日のパフォーマンスを仕込む時間」。
夜にしっかり暗くして眠ることは、脳と心をメンテナンスする行為です。
暗さは“静けさ”と同じように、脳に休息を与えます。
光をコントロールできる人は、感情も、集中力も、時間の使い方もコントロールできる。
だからこそ、「光の質を整えること」が、最もシンプルで効果的なセルフケアなのです。
暗闇が落ち着かない人もいれば、少しの光でも眠れない人もいます。
大切なのは「自分にとっての最適な明るさ」を知ること。
たとえば、豆電球を使う場合も、寝ついたあとに自動で消えるタイプにすると安心です。
科学的な根拠をベースにしながらも、「心地よさ」は人それぞれ。
無理なく続けられる方法で、少しずつ睡眠環境をアップデートしていきましょう。
夜の光を整えることは、あなたの人生のリズムを整えることでもあります。
今日から少しだけ照明を落として、“眠りのスイッチ”をオンにしてみてくださいね。
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