
毎年実施されるストレスチェック。
結果を確認する中で、こんな印象を持ったことはありませんか?
・睡眠に関する設問で「よくない」が多い
・高ストレス者と睡眠不調者が重なっている
・メンタル不調者の多くが「眠れていない」と答えている
一方で、健康担当者としてはこうも感じているはずです。
「睡眠が大事なのは分かるが、
ストレスチェック結果から“具体的に何をすればいいのか”が分からない」
本記事では、
ストレスチェック × 睡眠という視点から、
・ストレスチェックにおける睡眠項目の意味
・睡眠項目が悪化しているときに起きている“本当の問題”
・健康担当者が次に打つべき、現実的な解決策
を整理して解説します。
ストレスチェックは、労働安全衛生法に基づき
50人以上の事業場で年1回の実施が義務化されている制度です。
目的は明確で、
・労働者自身がストレス状態に気づくこと
・企業が職場環境改善につなげること
この2点です。
使用される調査票の基本構造
厚生労働省が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」には、
・23項目版(簡易版)
・57項目版(標準版)
があります。
内容は共通して、以下の3領域で構成されています。
①仕事のストレス要因
②心身のストレス反応
③周囲からのサポート
睡眠は②心身のストレス反応に含まれる、非常に重要な指標です。
23項目版に含まれる睡眠・休養関連項目
心身のストレス反応として、次の3問が含まれています。
・睡眠によって、疲れがとれている
・睡眠は足りていると思う
・休日はリラックスして過ごせている
いずれも4段階評価で、
本人の主観的な回復感・休養感を測っています。
57項目版でも同様の位置づけ
| 項目番号 | 内容 |
|---|---|
| 52 | 睡眠によって、疲れがとれている |
| 53 | 睡眠は足りていると思う |
| 54 | 休日はリラックスして過ごせている |
ここで重要なのは、これらが「生活習慣」ではなく
身体的・心理的ストレス反応として扱われている点です。
健康担当者として最も重要なのは、
睡眠項目の数値が示している“背景”を正しく理解することです。
睡眠項目が低い人に共通する状態
実務で分析すると、睡眠項目が悪い人は以下を併発していることが多く見られます。
・抑うつ感・不安感が高い
・疲労感が慢性化している
・集中力・判断力の低下
・日中の眠気によるパフォーマンス低下
つまり、睡眠は「ストレスの結果」であり、同時に「ストレスを悪化させる要因」
になっているのです。
ストレスチェックで高ストレス判定を受けた人を詳しく見ると、
睡眠項目が低評価である割合が非常に高いことが分かります。
これは偶然ではありません。
ストレスと睡眠は「双方向」
・ストレスが強い
→ 交感神経が優位
→ 寝つきが悪い・中途覚醒
・睡眠が乱れる
→ 回復できない
→ ストレス耐性が低下
この悪循環が続くことで、
・メンタル不調
・欠勤・休職
・プレゼンティーズム
へとつながっていきます。
ここが健康担当者の悩みどころです。
ストレスチェックの睡眠項目は、
・疲れが取れているか
・足りていると思うか
という結果指標であり、
・寝つきが悪いのか
・夜中に目が覚めるのか
・生活習慣の問題なのか
といった原因までは分かりません。
ストレスチェックに“睡眠の深掘り設問”を追加する
法定のストレスチェック項目は変更できませんが、
追加設問を設けることは可能です。
たとえば以下のような質問です。
・寝つくまでに30分以上かかることが多い
・夜中に何度も目が覚める
・日中の眠気で業務に支障が出ている
・起床時にスッキリ感がない
これにより、
・「量の問題」なのか
・「質の問題」なのか
を切り分けることができます。
健康経営・自主調査として睡眠を可視化する
ストレスチェックとは別に、
・睡眠満足度
・中途覚醒
・日中の眠気
・回復感
を測る簡易サーベイを行うことで、
・部署別の傾向
・業務特性との関連
が見えてきます。
睡眠は個人課題ではなく、組織課題として現れるのが特徴です。
① 生産性への影響が非常に大きい
睡眠不調は、
・判断ミス
・作業効率低下
・感情コントロール低下
に直結します。
これは欠勤よりも見えにくい
プレゼンティーズム損失として企業に影響します。
② ストレス低減の“入口”として扱いやすい
睡眠は、
・メンタルの話ほど重くない
・生活改善として伝えやすい
という特徴があり、
ストレス対策の導入テーマとして非常に有効です。
解決策① 睡眠セミナーによる“共通理解づくり”
・睡眠とストレスの関係
・「寝ているのに回復しない」理由
・仕事パフォーマンスとの関係
を知ることで、
社員自身のセルフケア意識が高まります。
解決策② 行動変容につなげるプログラム設計
知識だけでは睡眠は変わりません。
・寝る前の行動
・光・入浴・カフェイン
・休日の過ごし方
など、行動に落とし込む支援が必要です。
・ストレスチェックの睡眠項目は“重要なサイン”
・高ストレスと睡眠不調は強く連動する
・しかし、チェックだけでは原因は分からない
・次の一手として「睡眠の可視化と介入」が必要
睡眠は、
メンタル不調の予防・生産性向上・エンゲージメント改善
すべての土台です。
ストレスチェックの結果を「見るだけ」で終わらせず、
睡眠という切り口から“改善につなげる”ことが、これからの健康担当者に求められています。
「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。
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