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健康経営の課題とは?よくある8つの壁と解決策を徹底解説

[最終更新日:2026-10-29]

「健康経営を始めたものの、従業員がなかなか参加してくれない」

「経営層から効果を聞かれても、数字で説明できない」

「健康経営優良法人の認定は取得したけれど、従業員の健康状態が良くなっている実感がない」

このような悩みを抱えている
人事・総務・健康経営担当者も多いのではないでしょうか。

実は、健康経営は取り組みを始めることよりも
継続して従業員に参加してもらい、成果につなげることが難しい施策です。

実際に企業の健康づくりを支援していると、
経営層の理解が得られない、担当者の業務負担が大きい、
従業員が参加しない、効果を測定できないといった課題が見られます。

Lifreeでは、こうした課題を解決するために、
「健康経営の施策を増やすこと」よりも、
「従業員の困りごとを解決すること」を大切にしています。

この記事では、健康経営でよくある
8つの課題を解決策とセットで解説しながら
自社の課題を見つける方法、優先順位のつけ方、
Lifreeが支援した企業の具体的な取り組みも紹介します!

目次

健康経営の課題は「推進の壁」と「健康の壁」の2種類

健康経営がうまく進まないとき、
最初に整理したいのが、「健康経営を推進するうえでの課題」と
「従業員が抱えている健康課題」は別のものだということです。

この2つを混同すると、何を解決するための施策なのかが曖昧になり
セミナーやイベントを実施すること自体が目的になってしまいます。

申請する企業は増えても、成果を実感できていない企業は多い

健康経営優良法人の認定企業数は、制度開始以降、増加してきました。

一方で、認定取得や健康施策の実施が
そのまま従業員の健康状態の改善を意味するわけではありません。

例えば、毎年健康セミナーを開催していても、
参加するのが健康意識の高い従業員だけだったり、
実施後の変化を確認していなかったりすることがあります。

Lifreeでも、企業の健康経営担当者から
「毎年施策は実施しているが、成果が見えない」という相談を受けることがあります。

重要なのは、施策の数ではなく
「誰の、どのような健康課題を解決できたのか」なのです。

推進の壁|経営層の関与・担当者の負担・従業員の参加など、取り組みが進まない課題

推進の壁とは、健康経営を実行するための組織体制や運営に関する課題です。

例えば、経営層が健康経営の必要性を理解していない
担当者が兼務で時間を確保できない、
予算がない、従業員が施策に参加しないといった問題が該当します。

こうした課題に対しては、
経営方針の共有、業務の効率化、参加しやすい施策設計、効果測定などが必要です。

健康の壁|メンタル不調・睡眠不足・生活習慣病など、従業員の心身にある課題

健康の壁とは、従業員が実際に抱えている健康上の問題です。

メンタルヘルス不調、睡眠不足、
疲労、生活習慣病、女性特有の健康課題などが該当します。

こちらは、健康診断やストレスチェック
従業員アンケートなどから現状を把握し、必要な支援につなげることが重要です。

また、個人の生活習慣だけでなく、長時間労働や夜勤、
職場の人間関係など、働き方そのものが健康課題につながっている場合もあります。

2つを混ぜて考えると、施策が「やりっぱなし」になりやすい

例えば、健康セミナーへの参加率が低い場合、
問題は従業員の健康意識が低いことだと考えがちです。

しかし、本当の原因は、開催時間が合わない、
内容が従業員の悩みに合っていない、
参加するメリットが伝わっていないことかもしれません。

この場合、解決すべきなのは健康知識ではなく、施策の届け方。

一方、セミナーへの参加率が高くても、
従業員の睡眠不足や疲労が改善していなければ、
健康課題への対応を見直す必要があります。

課題の種類よくある問題解決の方向性
推進の壁参加率が低い、予算がない、担当者が忙しい体制・運営方法・参加設計を見直す
健康の壁睡眠不足、メンタル不調、生活習慣病健康状態を把握し、適切な支援を行う

「健康経営が進まない理由」と
「従業員が健康になれない理由」を分けて考えること
が、課題解決の第一歩です。

健康経営でよくある8つの課題と解決のヒント

ここからは、健康経営で多くの企業が直面する8つの課題と、
具体的な解決方法を紹介しますね。

① 経営層が消極的|健康施策を経営課題と結びつける

健康経営担当者が意欲的に取り組もうとしても、
経営層の理解が得られず、予算や協力を確保できないことがあります。

特に「健康セミナーを開催したい」「健康イベントを増やしたい」という
説明だけでは、経営層に必要性が伝わりにくい場合があります。

解決策は、健康経営を経営課題と結びつけて説明することです。

例えば、人材不足に悩んでいる企業であれば休職・離職、製造業であれば
安全や業務上のミス、IT企業であれば集中力やプレゼンティーズムなど、
自社の課題と健康状態の関係を整理します。

Lifreeでは、健康経営を進める際に、
まず経営層と「なぜ健康経営に取り組むのか」を共有することをおすすめしています。

健康経営を福利厚生費としてだけ捉えるのではなく、
従業員が健康に働き続けるための経営上の取り組みとして位置づけることが重要です。

② 担当者が兼務で手が回らない|最初から施策を増やしすぎない

健康経営の担当者は、
人事・総務・労務などの業務と兼務しているケースも少なくありません。

そのため、毎月イベントを開催したり、
複数の健康施策を同時に運営したりすると、担当者の負担が大きくなります。

解決策は、取り組むテーマを絞り、継続できる運営体制をつくることです。

例えば、最初の1年は従業員の健康課題を把握し、
優先度の高いテーマを一つ選ぶだけでも十分な第一歩になります。

オンラインセミナーや動画配信、
外部専門家の活用など、担当者の負担を抑えられる方法も検討しましょう。

大切なのは、担当者が頑張り続けなければ成立しない健康経営にしないことです。

③ ノウハウが足りない|専門家の知見を活用しながら社内に蓄積する

健康経営の担当者が、医療や健康の専門知識を持っているとは限りません。

そのため、何を優先すべきか、どのような施策が効果的なのか、
どう評価すればよいのかがわからず、取り組みが止まってしまうことがあります。

解決策は、すべてを社内だけで解決しようとしないことです。

産業医や保健師、健康保険組合、
外部の専門機関などと連携し、必要な知識を補いましょう。

ただし、外部に任せきりにするのではなく、
施策の目的、実施内容、結果、改善点を社内に残すことが重要です。

Lifreeでも、セミナーを実施するだけでなく、
企業の課題や受講者の反応を振り返り、翌年度の施策につなげることを大切にしています。

④ 目標が曖昧で形だけになる|従業員の健康状態をゴールにする

「健康経営優良法人の認定を取得する」「年間3回セミナーを実施する」など、
実施すること自体が目標になってしまうケースがあります。

しかし、認定やセミナーの実施は、健康経営を進めるための手段です。

解決策は、従業員にどのような変化を生み出したいのかを明確にすることです。

例えば、「睡眠で休養が取れていない従業員を減らす」
「高ストレス者への適切な支援を進める」「健康上の理由による仕事への支障を減らす」など
具体的な健康課題から目標を設定します。

そのうえで、参加率や行動変容、健康状態の変化を測定します。

Lifreeでは、健康経営の認定取得がゴールになってしまうと、
従業員の健康改善という本来の目的を見失いやすいと考えています。

⑤ 従業員が参加しない|健康意識ではなく「困りごと」から施策を考える

健康経営で特に多い悩みが、従業員の参加率が上がらないことです。

健康イベントを開催しても、
参加するのはもともと健康意識の高い従業員ばかりというケースもあります。

ここで注意したいのが、
「従業員の健康意識が低いから参加しない」と決めつけないこと
です。


解決策は、従業員が実際に困っていることからテーマを選ぶことです。

例えば、「生活習慣病予防」というテーマには関心がなくても、
「疲れが取れない」「朝すっきり起きたい」「仕事中の眠気を減らしたい」
という悩みには関心を持つ人がいます。

Lifreeでは、睡眠や疲労回復など、
従業員自身がメリットを感じやすいテーマを入口にすることを大切にしています。

また、開催時間や動画配信の有無、参加方法などを見直すことも重要です。

⑥ 施策が負担になり不満が出る|頑張らなくてもできる行動から始める

健康施策の内容によっては、従業員が負担に感じてしまうことがあります。

例えば、毎日運動する、食事を細かく記録する
決められた時間に研修へ参加するなど、仕事や家庭との両立が難しい施策です。

解決策は、従業員が無理なく実践できる方法を選べるようにすることです。

Lifreeでは、睡眠改善でも「頑張らない改善」を大切にしています。

朝起きたらカーテンを開ける、カフェインを飲む時間を見直す、
寝室の環境を少し整えるなど、
毎日の生活に取り入れられる小さな行動から始めます。

もちろん、慢性的な睡眠不足がある場合には、勤務時間や生活環境の見直しも必要です。

企業が従業員に努力を求めるだけでなく、
実践しやすい働き方や環境を整えることも欠かせません。

⑦ 効果が測れない|参加率だけでなく健康状態の変化を確認する

健康経営の施策を実施しても、経営層から
「どのような効果があったのか」と聞かれたときに、説明できないことがあります。

特に、セミナーの満足度や参加人数だけでは、
従業員の健康状態が良くなったかどうかはわかりません。

解決策は、施策の目的に合わせて、事前・事後で確認する指標を決めておくことです。
Lifreeでは、次の流れで成果を評価することをおすすめしています。

  • 参加
  • 行動変容
  • 健康状態
  • 仕事への影響

例えば睡眠施策であれば、
参加率に加えて、睡眠習慣の実践率、
睡眠で休養が取れている割合、日中の眠気、不眠度などを確認します。

最初から売上や利益への影響を証明しようとする必要はありません。

まずは、施策の対象となった健康課題に変化があったかを確認することが大切です。

⑧ 予算がない|既存データと小さな施策から始める

健康経営の予算が限られている企業では、新しいサービスの導入が難しい場合もあります。

しかし、健康経営は必ずしも大きな予算をかけなければ始められないものではありません。

解決策は、すでにあるデータや社内の仕組みを活用することです。

例えば、健康診断やストレスチェックの集計結果を見直す、
従業員アンケートで困りごとを聞く、
既存の社内会議で健康に関する情報を共有するなど、小さな取り組みから始められます。

また、健康保険組合や産業保健総合支援センターなどが提供する支援も確認するとよいでしょう。

限られた予算だからこそ、
施策を広く薄く実施するのではなく、優先度の高い課題に集中する
ことが重要です。


自社がどの課題でつまずいているかを見つける3つの方法

健康経営の課題を解決するには、
まず自社がどこでつまずいているのかを把握する必要があります。

Lifreeでは、健康状態のデータだけでなく、
従業員の声と施策の実施状況を組み合わせて確認することをおすすめしています。

① 健診・ストレスチェック・問診のデータで、多い不調を数字でつかむ

まずは、健康診断やストレスチェック、問診などの既存データを確認します。

例えば、睡眠で休養が取れていない従業員の割合、
ストレスチェックの集団分析結果、生活習慣病関連の有所見率などです。

可能であれば、
年代、職種、勤務形態などによる違いも確認しましょう。

ただし、少人数の部署などでは
個人が特定されないよう、集計方法に配慮する必要があります。

Lifreeでは、健康施策を検討する際に、
最初から「睡眠セミナーを実施する」と決めるのではなく、
まず従業員の状態を把握することを大切にしています。

② 従業員アンケートで「参加しない理由」と「負担に感じること」を聞く

健康状態のデータだけでは、
従業員が施策に参加しない理由まではわかりません。

そこでおすすめしたいのが、短いアンケートです。

例えば、健康面で困っていること、参加したいテーマ、
参加しやすい時間帯、これまでの施策に参加しなかった理由などを聞きます。

特に重要なのは、健康経営担当者が「従業員に必要だと思うこと」と
従業員自身が「困っていること」が一致しているかを確認することです。

企業が実施したい施策ではなく、
従業員が参加したくなる施策を考えることが、参加率を高める第一歩になります。

③ 健康経営度調査のフィードバックシートで、評価が低い項目を確認する

健康経営度調査を実施している企業では、
フィードバックシートも課題を整理する材料になります。

自社の評価が低い項目や、他社と比較して不足している
取り組みを確認することで、制度や推進体制の課題が見えてきます。

ただし、評価が低い項目をすべて改善しようとする必要はありません!

Lifreeでは、フィードバックシートを参考にしながらも、
最終的には「自社の従業員にとって本当に必要な施策か」という視点で
優先順位を決めることをおすすめしています。

認定取得のために施策を増やすのではなく、
従業員の健康課題を解決するために制度を活用することが大切です。


課題がいくつもあるときの優先順位のつけ方

健康経営では、経営層の理解不足、
参加率の低さ、睡眠不足、メンタル不調など、複数の課題が同時に見つかることがあります。

その場合、すべてを一度に解決しよう
とするのではなく、優先順位をつけて取り組むこと
が重要です。

まずは経営層の関与を固めると、ほかの課題が動きやすくなる

健康経営を継続するには、経営層の理解と協力が欠かせません。

まずは「従業員が健康に働ける状態をつくることが、
なぜ自社に必要なのか」を整理しましょう。

例えば、休職者の増加、人材不足、業務上のミス、
従業員の疲労など、経営上の課題と健康状態を結びつけて説明します。

経営層と目的を共有できれば、
予算や人員の確保、管理職への協力依頼なども進めやすくなります。

次に、対象者が多く生産性への影響が大きい健康課題を選ぶ

次に、従業員の健康課題の中から優先度の高いものを選びます。

判断する際には、対象者の多さ、
健康への影響、仕事への影響、緊急性、改善の実現可能性などを考慮します。

例えば、睡眠不足を感じている従業員が多く、
日中の眠気や疲労が仕事に影響しているのであれば、睡眠改善を優先する理由になります。

一方、ハラスメントや過重労働による深刻な健康被害が疑われる場合は、
参加率や実施のしやすさよりも、
速やかな安全確保と適切な対応を優先する必要があります。

最初の1年は参加率など結果が出やすい指標で成果を見せる

健康経営を始めたばかりの企業では、
最初から休職率や医療費の改善を示すことが難しい場合があります。

そのため、初年度は参加率や実践率、
従業員の意識変化など、比較的短期間で確認できる指標を設定することも有効です。

ただし、参加率だけで終わらせないことが重要です。

例えば、次のように段階的に評価指標を発展させます。

段階主な評価指標
1年目参加率、認知度、行動の実践率
2年目睡眠・疲労・ストレスなど健康状態の変化
3年目以降プレゼンティーズム、休職状況など仕事への影響

これは一つの進め方であり、
初年度から健康状態を測定できる場合には、積極的に取り入れることをおすすめします。

Lifreeでは、「参加してもらうこと」から始めても、
最終的には「従業員の健康状態がどう変わったか」まで確認することを大切にしています。


優先したい従業員の健康課題|メンタル・睡眠・女性の健康など

企業によって優先すべき
健康課題は異なりますが、健康経営で特に検討したいテーマを紹介します。

メンタルヘルス不調|休職・離職につながる可能性があり、早めの対策が必要

メンタルヘルス不調は、休職や離職だけでなく、
出勤していても十分なパフォーマンスを発揮できないプレゼンティーズムにも関係します。

ストレスチェックや相談体制の整備に加え、
長時間労働やハラスメントなど、職場環境の問題を改善することが重要です。

また、睡眠不足や疲労の蓄積がメンタル不調と関係することもあるため、
日常生活のセルフケア支援も組み合わせて考える必要があります。

睡眠不足|メンタル不調やプレゼンティーズムの土台になりやすい

睡眠不足は、集中力や判断力、
感情の調整などに影響し、仕事のパフォーマンスやメンタルヘルスとも密接に関係します。

Lifreeが睡眠を健康経営の重要なテーマと考える
理由の一つは、睡眠がさまざまな健康課題と関係していることです。

また、睡眠は誰もが毎日行う行動であり、
生活習慣の小さな見直しから始められることも魅力です。

ただし、従業員に睡眠改善を求めるだけでは不十分です。
長時間労働や不規則勤務など、睡眠を妨げる働き方そのものへの対応も必要になります。

生活習慣病|高リスク者の重症化を防ぐ

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、長期的な健康管理が必要な課題です。

健康診断の結果を確認し、
再検査や医療機関への受診、保健指導などにつなげることが重要です。

特に、健康診断で異常が見つかっても、
その後の受診につながっていない場合には、受診勧奨やフォロー体制の見直しが必要です。

女性特有の健康課題|月経や更年期の不調を相談しやすい環境をつくる

月経に伴う不調、更年期症状、妊娠・出産に関連する
健康課題などは、仕事のパフォーマンスや働き続けやすさにも関係します。

一方、職場では相談しにくく、本人が我慢しているケースもあります。

健康情報の提供だけでなく、休暇制度、勤務調整、相談窓口、
管理職の理解促進など、働きやすい環境を整えることが重要です。

また、女性特有の健康課題を
本人だけの問題として扱わず、組織全体で理解を深めることも大切です。

夜勤・交代勤務|生活リズムが崩れやすく、一律の施策が届きにくい

夜勤・交代勤務者は、
日勤者と同じ睡眠習慣を実践することが難しい場合があります。

例えば、「毎日同じ時間に寝ましょう」と伝えても、
勤務時間が変わる従業員には実践できないことがあります。

Lifreeでは、夜勤・交代勤務者への支援において、
勤務前の仮眠、光の使い方、カフェインのタイミング、夜勤明けの休息など
働き方に合わせた具体的な対策を伝えることを大切にしています。

企業が従業員に「健康に気をつけてください」と伝えるだけでなく
その働き方の中で健康を守る方法まで一緒に考えることが重要です。

課題別|壁を乗り越えた企業の取り組み3選

ここでは、Lifreeが実際に支援した企業の事例を、健康経営でよくある課題別に紹介します。

事例①|従業員が参加しない:製造・印刷業界で健康施策への参加者が約30名から約500名に

ある製造・印刷関連企業では、健康施策への参加者が限られていることが課題でした。

そこで、従業員が関心を持ちやすい「睡眠」をテーマに
セミナーの開催時間や録画視聴、社内への情報共有などを工夫しました。

その結果、1回当たりの参加者は約30名から約500名へと拡大しました。

評価項目取り組み前取り組み後
1回当たりの参加者約30名約500名

この企業では、3年間にわたって睡眠サーベイとセミナーを継続し、
4年目には改善を希望する従業員への実践型プログラムにも発展させています。

参加率が低いときは、従業員の健康意識だけを
問題にするのではなく、テーマの選び方や参加しやすさを見直すことが重要です。

事例②|効果が測れない:通信業界で約4,000名の睡眠サーベイから改善効果を可視化

ある大手通信関連企業では、約4,000名を対象に睡眠サーベイを実施し、従業員の睡眠課題を把握しました。

その後、改善を希望する従業員に対して、睡眠改善プログラムを提供しました。

セミナー前とプログラム終了時の評価結果は次のとおりです。

評価指標セミナー前終了時平均点の低下率
日中の眠気(ESS)9.185.2642.7%
不眠度(AIS)9.783.8061.1%
抑うつ関連指標(QIDS-J)8.934.4749.9%

セミナー前102名、終了時91名の集計平均。
回答者が完全には一致しないため、同一対象者の厳密な前後比較ではありません。

この事例では、参加人数や満足度だけでなく、
睡眠やメンタル関連指標の変化まで数値で確認しています。

健康施策の効果を説明するには、実施前から測定する指標を決めておくことが重要です。


事例③|施策が続かない:オフィス機器・ITサービス業界で段階的に改善支援へ発展

あるオフィス機器・ITサービス関連企業では、
約500名を対象に2年間、睡眠セミナーを実施しました。

3年目には、改善を希望する従業員20名に対して、2週間の睡眠・疲労回復プログラムを導入しました。

評価指標開始前終了後平均点の低下率
日中の眠気(ESS)6.955.9514.4%
不眠度(AIS)9.206.3531.0%
抑うつ関連指標(QIDS-J)9.357.8516.0%
蓄積疲労19.2013.9027.6%

睡眠セミナーによる啓発から、
従業員が実際に生活習慣を変えるプログラムへと段階的に発展させた事例です。

最初から大規模な施策を導入するのではなく、
全社への啓発から希望者への重点支援へ進める方法もあります。



健康経営の課題に関するよくある質問

健康経営の課題を相談できる無料の窓口はある?

健康経営については、加入している健康保険組合や協会けんぽ、
自治体、商工会議所などが相談や情報提供を行っている場合があります。

また、従業員のメンタルヘルス対策については、
産業保健総合支援センターなどの公的な支援機関も活用できます。

参考:産業保健総合支援センター|労働者健康安全機構

まずは、すでに利用できる支援制度がないか確認するとよいでしょう。

健康経営優良法人に認定されれば、課題は解決したといえる?

いいえ。健康経営優良法人の認定は、
一定の評価基準を満たしたことを示すものですが、
従業員の健康課題がすべて解決したことを意味するものではありません。

Lifreeでは、認定取得をゴールにしてしまうと、
健康経営が形だけの取り組みになりやすいと考えています。

重要なのは、認定取得後も従業員の健康状態や
働きやすさを確認し、継続的に改善することです。

担当者が1人しかいなくても健康経営は進められる?

はい。担当者が1人でも、取り組むテーマを絞り、社内外の協力を得ることで進められます。

例えば、初年度は既存の健診データやストレスチェックを確認し、
優先度の高い健康課題を一つ選ぶことから始めてもよいでしょう。

また、オンラインセミナーや動画配信、
外部専門家の活用など、運営負担を抑えられる方法もあります。

担当者だけが頑張るのではなく、
経営層や管理職を巻き込み、継続できる体制をつくることが重要です。

健康経営の効果はどれくらいの期間で出る?

取り組む施策や評価する指標によって異なります。

参加率や満足度、生活習慣の実践率などは比較的短期間でも
確認できますが、休職率や離職率、医療費などの変化を評価するには、より長期的な視点が必要です。

例えば、睡眠改善プログラムでは数週間の取り組みでも
睡眠状態や日中の眠気に変化が見られる場合があります。

ただし、短期間の変化がそのまま長期的な効果を意味するわけではありません。

短期的には参加・行動変容、中期的には健康状態、
長期的には仕事への影響というように、段階的に評価することをおすすめします。


まとめ|健康経営の課題は、従業員の困りごとから考えることが解決の第一歩

健康経営には、経営層の理解不足、担当者の負担
従業員の参加率、効果測定、予算など、さまざまな課題があります。

しかし、すべての課題を一度に解決する必要はありません。

まずは、健康経営を進めるうえでの「推進の壁」と、
従業員が抱えている「健康の壁」を分けて整理することが大切です。

そのうえで、従業員の健康状態や声を確認し、優先度の高い課題から取り組みましょう。

Lifreeが企業の健康経営を支援してきた経験から、
特に大切だと考えているのは、「企業が実施したい施策」ではなく、
「従業員の困りごとを解決する施策」を選ぶことです。

例えば、睡眠不足や疲労に困っている従業員が
多いのであれば、睡眠改善を入口にする方法があります。

睡眠はメンタルヘルスや仕事のパフォーマンスとも関係し、
毎日の生活の中で小さな行動から取り組みやすいテーマです。

Lifreeでは、睡眠セミナー、睡眠サーベイ、
実践型の睡眠改善プログラムなどを通じて、企業の課題に合わせた支援を行っています。

健康経営は、セミナーを開催したり、認定を取得したりすることがゴールではありません。
従業員が健康に、いきいきと働ける状態をつくること。
そして、その変化を確認しながら、取り組みを継続していくことが重要です。

自社の健康課題に合わせた睡眠施策を検討したい場合は、
以下も参考にしてください。

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サトウ未来

睡眠コーチ/Lifree株式会社 代表取締役。
忙しいビジネスパーソンの生産性向上を目的とした
睡眠改善セミナーや実践プログラムを提供し、
これまで10万人以上の睡眠改善を支援。
光文社より書籍『働く女子の睡眠革命』を出版。
睡眠・回復を身体構造の分野から捉え、現場
経験をもとに実践型の指導を行う。