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健康経営優良法人は意味ない?そう言われる5つの理由と本当のメリット

[最終更新日:2026-07-06]


「健康経営優良法人を取得しませんか?」


経営層からこのような話が出たものの、

  • 「取得して本当に意味があるのだろうか」
  • 「認定を取るために時間やコストをかける価値はあるのか」
  • 「社内でも『意味ない』という声がある」

と悩んでいる担当者は少なくありません。


実際、「健康経営優良法人 意味ない」と検索すると、

  • 「手間ばかりかかる」
  • 「認定を取っても売上は変わらない」
  • 「ブランディング目的になっている」

といった意見も見られます。

私たちは、このような意見を単純に否定するつもりはありません。
むしろ、「意味ない」と言われてしまう企業には共通点があると感じています。

それは、健康経営優良法人の認定取得そのものが目的になってしまっていることです。
健康経営優良法人は、資格試験のように一度取得すれば終わりではありません。

従業員がどのような健康課題を抱えているのかを把握し、
その課題に合わせて改善を繰り返していく活動です。

だからこそ、認定をゴールにすると、健康経営は徐々に形骸化していきます。
従業員からも、「認定を取るためにやらされている」
という印象を持たれてしまい、本来得られるはずだった
行動変容や組織改善も起こりにくくなります。

一方で、
「従業員が健康で、生き生きと働ける会社をつくる」
という目的を軸に取り組む企業では、認定は自然とついてくる”結果”になります。

つまり、
健康経営優良法人が意味ないのではありません。
認定取得をゴールにした健康経営が、意味のないものになってしまうのです。

この記事では、「健康経営優良法人は意味ない」と言われる理由を整理しながら、
本当に意味のある健康経営とは何かを解説します。

健康経営優良法人は「意味ない」のか?

制度そのものに意味がないわけではない

結論から言うと、
健康経営優良法人の制度自体に意味がないわけではありません。

実際に認定制度が創設された背景には、
日本が抱える大きな社会課題があります。

少子高齢化による労働人口の減少、働き方改革、人的資本経営への注目などにより
「従業員が健康で長く働けること」が企業の競争力そのものになってきました。

そのため健康経営優良法人制度は、
「健康に取り組んでいる会社を表彰する制度」ではなく、
「従業員の健康を経営戦略として実践している企業を評価する制度」
として位置付けられています。

つまり、本来の目的は認定取得ではなく
企業価値を高めるために健康経営を継続していくことなのです。

「意味ない」と言われるのは運用面や誤解に原因がある

では、なぜ「意味ない」と言われるのでしょうか。

私たちが最も大きな理由だと考えているのは、
認定取得が目的になってしまっている企業が少なくないことです。

認定取得だけを目標にすると、

  • 毎年セミナーだけ実施する
  • イベントを開催する
  • アンケートだけ取る

という「認定のための施策」になってしまいます。

そうすると従業員も、

  • 「会社がまた何か始めた」
  • 「認定を取るためだから仕方ない参加しておこうor忙しいから参加しない」

という受け身の姿勢になり、結局は健康経営が自分ごとになりません。

本来の健康経営は、
従業員が何に困っているのかを知り、その課題を改善することが出発点です。

認定は、その積み重ねの結果としてついてくるものなのです。

そもそも健康経営優良法人とは?制度の目的を簡単におさらい

健康経営優良法人とは、経済産業省が推進する健康経営の取り組みの中で、
特に優れた実践を行っている企業を認定する制度です。

しかし、よく誤解されるのが、
「認定を取れば健康経営が成功した」という考え方です。

実際には毎年評価項目も見直されており

  • 従業員の健康課題を把握しているか
  • 改善活動を継続しているか
  • 経営層が関与しているか
  • 効果検証まで行っているか

など、「継続的な改善」が重視されています。
これは、ホワイト500でも同じ考え方です。


認定のために施策を行うのではなく、
自社として何を健康課題と考え、どのような組織を目指すのか。

そこに一貫性があるかどうかが評価されます。

つまり健康経営優良法人とは、認定制度というよりも、
企業が継続的に健康経営を改善していくための”指針”と考えた方が理解しやすいでしょう。



健康経営優良法人が「意味ない」と言われる5つの理由

1. 取り組みの効果が数字で見えにくく実感しづらい

健康経営は、設備投資のように
すぐ利益へ反映されるものではありません。

例えば新しい機械を導入すれば、生産量が増えたことはすぐ分かります。


しかし健康経営では、

  • プレゼンティーズムの改善
  • 離職率低下
  • 採用力向上
  • エンゲージメント向上

など、時間をかけて少しずつ成果が現れます。


そのため、
「本当に意味があったのだろうか」と感じやすいのです。

しかし逆に言えば、最初から効果測定の指標を決めておけば、
健康経営は十分に成果を可視化できます。

参加人数だけではなく、

  • 健康や睡眠状態
  • ストレス・メンタル状態
  • プレゼンティーズム
  • 離職率

などを継続して測定することで、経営へのインパクトも説明しやすくなります。

2. 手間に対してメリットが釣り合わない

担当者から最も多く聞かれるのが、「準備が大変」という声です。

認定申請には、

  • 社内調整
  • 資料作成
  • アンケート
  • 施策運営
  • 効果確認

など、多くの工数が必要になります。

特に担当者が人事や総務を兼任している企業では、
「認定のために仕事が増えただけ」と感じることもあります。

しかし、このような状態になる企業には共通点があります。

それは、認定を取ることだけを目的に準備していることです。

本来、健康経営は日々の取り組みを積み重ねた結果を整理するもので
認定取得の時期だけ慌てて準備するから、大変に感じてしまうのです。

3. 従業員に喜ばれておらず参加率も少ない

健康経営がうまくいかない企業では、
「従業員が参加してくれない」という悩みをよく耳にします。

しかし、この問題は従業員の健康意識が低いことだけが原因ではありません。

本当の原因は、「会社がやりたい健康施策」と
「従業員が困っていること」が一致していないことです。

例えば、
「ウォーキングイベントを開催したけれど参加者が少ない」
「健康アプリを導入したが利用率が上がらない」


このようなケースでは、
「なぜ参加しないのか」と考えがちですが、本当に考えるべきなのは
「従業員は今、何に困っているのか」ということです。

  • 仕事の疲労なのか。
  • 睡眠不足なのか。
  • 肩こりなのか。
  • メンタル不調なのか。

従業員の課題を把握しないまま施策を決めても、
「会社がやりたいこと」を押し付けるだけになってしまいます。

健康経営は、従業員を変える活動ではありません。
従業員を起点に設計する活動なのです。

4. ブランディング・マーケティングが先行し、本来の目的がおざなりになる

健康経営優良法人には、

  • 採用力向上
  • 企業イメージ向上
  • 自治体や金融機関の優遇措置

など、多くのメリットがあります。


だからこそ、
「採用で有利になるから取得したい」
「会社のPRに使いたい」
という目的で始める企業もあります。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。
しかし、それが最優先になった瞬間、本来の健康経営ではなくなってしまいます。
健康経営は、企業ブランディングのための制度ではありません。

従業員が健康で、生き生きと働ける環境をつくった結果として、
採用力が高まり、企業ブランドが向上し、社会から評価されるものです。

順番を間違えると、「認定のための健康経営」になってしまいます。

5. 認定取得そのものがゴールになってしまう

私たちが最も大きな課題だと考えているのが、この点です。
健康経営優良法人は、一度取得したら終わる資格ではありません。

毎年、

  • 会社としてどんな課題があるのか。
  • 従業員は何に困っているのか。
  • 何を改善していくのか。

を見直しながら、改善を続けていく取り組みです。

しかし実際には、
「今年も認定を取るためにアンケートをお願いします。」
「認定に必要だから参加してください。」
というように、従業員へ説明してしまう企業もあります。

これでは、
「また会社のためか。」
「認定を取るために協力しているだけ。」
という印象になってしまいます。

その結果、健康経営に対する信頼も失われ、
認定取得そのものが目的になってしまいます。

認定はゴールではなく、改善を積み重ねた結果として評価されるもの。

この考え方を忘れてしまうと、
本当に「意味ない」と言われる健康経営になってしまうのです。

これらを踏まえた上で次にメリットをご紹介していきます。


健康経営優良法人の認定で得られる4つのメリット

企業イメージ・ブランド力が向上する

健康経営優良法人は、
やはり従業員を大切にする企業であることを社外へ示すことができます。

近年では、求職者や取引先、投資家なども
企業の人的資本への取り組みを重視するようになりました。
そのため、健康経営への取り組みは企業ブランド向上にもつながります。

ただし、認定だけをアピールするのではなく、
「どんな想いで取り組んでいるのか」
を発信することが、より大きな価値になります。

採用力が強化され、人材の定着につながる

働く人の価値観は大きく変化しています。

給与だけで会社を選ぶ時代ではなく、

  • 働きやすさ
  • 健康への配慮
  • 心理的安全性

などを重視する人が増えています。

健康経営への継続的な取り組みは、
「この会社なら安心して長く働けそう」という安心感につながり
採用だけでなく離職防止にも効果が期待できます。

自治体・金融機関から優遇措置を受けられる

健康経営優良法人に認定されることで、

  • 自治体の入札加点
  • 融資制度
  • 補助金
  • 保険料優遇

などの対象になる場合があります。

企業規模や地域によって内容は異なりますが、
こうした制度を活用できることも認定のメリットの一つです。

生産性・業績向上が期待できる

健康経営の本当の価値は、ここにあります!

従業員が元気で健康になることで、

  • プレゼンティーズム改善
  • 離職率低下
  • エンゲージメント向上
  • コミュニケーション改善

などが起こり、結果として組織全体のパフォーマンス向上につながります。

つまり、健康経営は福利厚生ではなく、
企業の競争力を高める経営戦略なのです。


「意味ない」で終わらせない!認定を活かす4つのポイント

認定取得をゴールにせず、従業員の声を起点に改善を続ける

健康経営で最も重要なのは、
「どんな施策をやるか」ではありません。

従業員は何に困っているのか。

ここから始めることです。
従業員の声を聞き、その課題を改善し続ける企業ほど、結果として認定も継続しています。


健康経営の目的を経営層から現場まで共有する

「なぜ健康経営に取り組むのか。」
これを経営層だけが理解していても意味がありません。

担当者も管理職も一般社員も、
「会社は自分たちのために取り組んでいる。」と感じられることが重要です。


取り組みの結果を従業員へフィードバックする

アンケートを取るだけでは終わりません。

  • 「昨年より睡眠状態が改善しました。」
  • 「プレゼンティーズムが改善しました。」
    など、成果を共有することで、

「会社は本当に改善しようとしている。」という信頼につながります。


経営層が目的を伝え続ける

健康経営は担当者だけでは続きません。

経営層が、
「会社として従業員を大切にしたい。」
という思いや姿勢を発信し続けることが、最も重要です。

その思いが形になるのが健康施策であり、その結果認定につながります。

自社は健康経営優良法人を目指すべき?意味ない?判断のポイント

健康経営優良法人は、
すべての企業が必ず取得すべき制度ではありません。

もし、

  • 認定だけが目的
  • 採用PRだけが目的
  • 補助金だけが目的

であれば、健康経営優良法人を目指さなくてもよいでしょう。


しかし、

  • 従業員に長く健康に働いてほしい。
  • プレゼンティーズムを改善したい。
  • 生産性を高めたい。

そんな想いがある企業であれば、
健康経営優良法人は非常に意味のある取り組みになります。

また、取得を目指すか迷う場合は、認定取得を支援する会社だけではなく、
「そもそも自社は健康経営を目指すべきなのか」
という視点で相談できる第三者へ相談することもおすすめです。

認定取得ありきではない客観的な意見を聞くことで、
自社に本当に必要な取り組みが見えてきます。

弊社も認定ありきではない
無料相談を受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。


まとめ

健康経営優良法人が意味ないのではありません。
認定取得をゴールにしてしまうと、意味がなくなるのです。

健康経営とは、一度認定を取得すれば終わる制度ではありません。

毎年、

  • 従業員は何に困っているのか。
  • 会社は何を目指すのか。
  • 何を改善すべきなのか。

を問い続けながら改善を積み重ねていく活動です。

だからこそ、認定を目的にすると苦しくなります。

一方で、従業員を起点に考え続ける企業は、
結果として認定が継続し、生産性やエンゲージメント、採用力なども向上していきます。

健康経営優良法人とは、「取得するもの」ではなく
「従業員と向き合い続けた結果として認められるもの」。

この視点を持つことが、
健康経営を本当に意味あるものにする第一歩になるのではないでしょうか。



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サトウ未来

睡眠コーチ/Lifree株式会社 代表取締役。
忙しいビジネスパーソンの生産性向上を目的とした
睡眠改善セミナーや実践プログラムを提供し、
これまで10万人以上の睡眠改善を支援。
光文社より書籍『働く女子の睡眠革命』を出版。
睡眠・回復を身体構造の分野から捉え、現場
経験をもとに実践型の指導を行う。