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健康経営の指標とは?KPIの具体例・設定手順をわかりやすく解説

[最終更新日:2026-03-25]

健康経営に取り組む企業が急速に増える中で、
多くの人事・総務担当者が直面する壁が「指標(KPI)の設定」です。

・健康診断やストレスチェックのデータはあるが、どう使えばいいか分からない
・評価指標欄に何を書けばいいのか分からない
・上司に「なぜこの指標なのか」を説明できない

実際に私たちLifreeでも、
企業の健康経営担当者から最も多くいただく相談がこの「指標設計」です。

特に多いのは、

  • 「データはあるが、経営とつながっていない」
  • 「指標はあるが、改善につながっていない」というケースです。

本記事では、健康経営の指標の全体像から具体例、設定手順までを体系的に整理し、
「そのまま社内提案資料として使えるレベル」で解説します。

健康経営で指標(KPI)を設定する重要性

成果の見える化と効果検証ができる

健康経営において最も多い失敗は「やりっぱなし」です。

・セミナーを実施した
・イベントを開催した
・福利厚生を充実させた

しかし、これらはすべて「活動」であり「成果」ではありません。

指標を設定することで初めて
「何がどれくらい改善したのか」
「投資に対してどれくらいの効果があったのか」

が明確になります。

Lifreeが支援してきた企業でも、指標を設定し可視化することで

・不眠数値 平均50%以上改善
・メンタル数値 30%以上改善
・eNPS 約30%向上

といった成果が明確に報告できるようになりました 

重要なのは、「やったかどうか」ではなく「変わったかどうか」です!


経営戦略としての方向性が明確になる

健康経営は、単なる福利厚生ではありません。
「人的資本への投資」です。

指標がない状態では、
・なんとなく良さそう
・従業員のため
という曖昧な状態にとどまります。

一方で指標があると

  • どこに投資するか
  • 何を優先するか
  • どの施策をやめるか

が明確になります。



会社として何を軸に考えるか明確になる

例えば、同じ健康経営でも目的は企業によって異なります。

・離職率を下げたい
・メンタル不調を減らしたい
・生産性を上げたい

この違いによって、設定すべき指標は大きく変わります。
指標とは「会社の意思」です。


健康経営優良法人の認定に必要

健康経営優良法人の審査では、
「指標の設定と改善ストーリー」が重要視されます。

単に施策を並べるだけではなく
「なぜこの指標なのか」
「どう改善したのか」
を説明できることが必要です。



健康経営の指標の種類と具体例

ここでは、実務でそのまま使える形で整理します。

従業員の心身の健康状態に関する指標

最も基本となる指標です。

具体例として

  • 健康診断受診率
  • 高血圧・糖尿病リスク者割合
  • 不眠スコア(AIS)
  • 抑うつスコア(QIDS)

ここで重要なのは「平均値」ではなく「改善率」です。

例えば
・高ストレス者割合 20%→15%
・不眠スコア 平均30%改善

Lifreeの現場では、特に「睡眠指標」を入れることで
メンタル改善にもつながるケースが非常に多く見られています 


職場環境の満足度に関する指標

具体例として

  • 従業員満足度(ES)
  • eNPS
  • 心理的安全性スコア

ただし、ここでの注意点は「測るだけでは意味がない」
ということです。

多くの企業が
・サーベイを取る
・結果を共有しない
・施策につながらない

という状態に陥っています。

これは逆に「従業員の不信感を生む」原因になり
サーベイの参加率もどんどん減ったり適当に回答するという状況を
生み出してしまうのです。 


プレゼンティーイズム・アブセンティーイズム

経営層に最も刺さる指標です。

プレゼンティーイズム
→ 出勤しているが生産性が低下している状態

アブセンティーイズム
→ 欠勤・休職

具体例として

  • プレゼンティーイズム損失額
  • 病欠日数
  • 休職率

これら出勤・欠勤率や遅刻・早退率は、
従業員の健康状態やモチベーションと直結している指標であり、重要な要素です。
これらの指標を測定することで、職場の生産性や従業員の健康状態を間接的に把握できます。
また、ワークエンゲージメントの度合いの理解に役立っています。



健康増進プログラムへの参加率

意外と軽視されがちですが、ファーストステップで非常に重要です。
企業が実施する健康増進プログラムへの従業員の参加率は、
そのプログラムがどの程度、従業員に受け入れられているかを示す指標となります。

参加率が高ければ、従業員の健康意識の高さや、プログラムの魅力度を示しているといえるでしょう。
評価指標の具体例として、以下が挙げられます。

具体例として

  • セミナー参加率
  • 行動実践率
  • 継続率

ここで重要なのは「誰が参加しているか」

健康意識の高い人だけが参加している場合施策は失敗です。

参加率のデータを基に、従業員がプログラムの効果を感じられ、
参加率アップを実現できるプログラムを評価・改善することが大切です。



労働時間・残業時間・睡眠時間・有給休暇取得率

実際の労働時間や休息時間のデータは、従業員の健康を守るための基本的な指標です。
働き方改革の進捗を把握することにもつながります。
また、長時間労働の是正や有給休暇の取得促進など、ワーク・ライフ・バランスの実現に
向けた取り組みの成果を測れます。
労働時間に関する評価指標の具体例として、以下が挙げられます。 

具体例

  • 月平均残業時間
  • 有給取得率
  • 平均睡眠時間
  • 長時間労働者数

これら指標の実際の状況を把握し、データ化しておくことが大切です。



健康経営の指標の設定方法【5ステップ】

ステップ1:健康経営の目的・目標を明確にする

まず最初にやるべきは「なぜやるのか」の明確化です。

例:
・従業員の高齢化により心身健康で働いてもらいたい
・安全管理と事故防止
・生産性向上
・離職率低下
・メンタル不調予防

そしてここで重要なのは「従業員目線で社内発信」することです。

会社のためではなく
従業員が「自分にメリットがある」と感じられるかは非常に重要になります。


ステップ2:3方よしのデータを収集・分析する

実際に会社・担当者・従業員にとって役立つ
使えるデータを収集・分析することです。

  • 健康診断
  • ストレスチェック
  • サーベイ

重要なのは収集後に必ずフィードバックすること

データを取る目的開示がない場合やフィードバックがない場合は
従業員の不信感につながり持続的に取得することが難しくなります。 



ステップ3:優先課題と従業員の興味関心に基づいて指標を設定する

ここが実は落とし穴でもあります。
会社の課題だけにファーカスされて従業員のニーズが無視されているパターンも
多くあるのです。

ポイント:経営課題 × 従業員ニーズ

Lifreeが見てきた現場では、データ分析による経営課題と
従業員の興味関心や課題ニーズをしっかり拾い上げた上で
最終的な優先課題の指標を設定して行くことです。



ステップ4:具体的な施策を計画・実行する

ここは健康経営をなんとなくやっているか、
形だけではなく本格的に取り組んでいるかの差がつきます。

NGなこと
・知識提供だけ
・セミナーだけ

OKなこと
・行動変容まで設計する

Lifreeが支援してきた実践の現場では
「知る → やる → 振り返る → 習慣化」の設計を重視しているほど
健康経営やホワイト500の取得確率が上がっています。 



ステップ5:定期的に評価・改善する

重要なのは「数値」だけでなく従業員の意識や変化の「実感」です。

例:
・体調が良くなった
・仕事が楽になった
・人間関係が改善した

ここまで確認できて初めて従業員が前のめりになり
次の施策も実施しやすくなるため健康施策が定着します。



健康経営の指標設定で押さえるべきポイント

具体的な数値目標を設定する

具体的な数値目標の設定が重要です。
「健康意識を高める」といった抽象的な指標では効果検証ができません。

NGとして
・「健康意識を高める」というアバウトな指標になっている

OKな例として
・睡眠スコア20%改善
・参加率70%以上

上記のように「睡眠スコアを20%改善」「施策参加率70%以上」など、
定量的に測定できる指標を設定することで、成果の可視化と改善につながります。


達成可能な目標に分解する

目標は達成可能な単位に分解することが重要です。
いきなり大きな成果を求めるのではなく、短期・中期で段階的に設定します。

例えば、短期では行動変容や参加率の向上、中期では数値改善を目指すことで、
現実的かつ継続しやすい施策設計につながります。


従業員メリットを打ち出し周知と参加促進を行う

従業員メリットを打ち出し、周知と参加促進を行うことは最も重要です!
多くの施策が失敗する理由は、会社目線で設計されているからです。

「会社のための健康施策」は参加されにくく、形骸化しやすい一方で、
「自分の体調が良くなる」「仕事が楽になる」といった
従業員自身のメリットが明確な施策は、自分ごと化され主体的な参加につながります。



健康経営の指標を活用した企業の成功事例

事例①:リーダー育成 × 睡眠改善

ある企業ではリーダー育成の一環として睡眠改善施策を導入しました。
単なる知識提供ではなく、日常で実践できる行動変容プログラムを組み込んだ結果、
不眠は57%改善、ストレスは46%改善、さらにプレゼンティーイズムも60%改善。

特にリーダー自身のコンディションが整うことで、
チーム全体の意思決定やコミュニケーションにも良い影響が広がり、
組織全体のパフォーマンス向上につながった点が特徴です。

結果:

  • 不眠 57%改善
  • ストレス 46%改善
  • プレゼンティーイズム 60%改善 


事例②:参加率が16倍になった企業

従来の健康施策では参加者が30名程度にとどまっていた企業が、
睡眠をテーマにした施策へ切り替えたことで参加者が500名へと増加し、参加率が16倍に向上しました。
さらに実践率も74%に達し、行動変容までつながっています。

成功のポイントは「誰でもできる施策」であること。運動や食事制限と違い、
睡眠は全従業員に共通するため、自分ごと化されやすく、高い参加率と継続性を実現しました。

  • 30名 → 500名
  • 実践率 74%

👉ポイント「誰でもできる施策」


事例③:売上向上につながったケース

ある企業では健康施策を通じて従業員のコンディション改善に取り組んだ結果、
チーム売上が157%向上し、業務ミスも大幅に削減されました。
特に睡眠改善により集中力や判断力が向上し、
日中のパフォーマンスが底上げされたことが大きな要因です。

この事例は、健康経営が単なる福利厚生ではなく、
業績向上に直結する投資であることを示しています。健康=生産性という関係性が明確に表れた好例です。

  • チーム売上157%向上
  • ミス削減

👉健康=業績に直結



まとめ

健康経営の指標は、単なる数値ではなく
「経営戦略」
「投資判断」
「成果の証明」

すべてを担う重要な要素です。

そして現場で強く感じるのは、「何を指標にするか」で成果が大きく変わるということです。
特に今後は、プレゼンティーイズムやエンゲージメント、
睡眠といった“パフォーマンスに直結する指標”が重要になります。

もし今、指標設定に悩んでいる場合は、
まずは1つの指標に絞ることから始めてください。

そして「施策 → 行動 → 数値」までを一貫して設計すること。
これが健康経営を“やっている状態”から“成果が出る状態”へ変える最短ルートです。