仕事中、あなたはコーヒーを飲みますか?
多くのオフィスで、コーヒーサーバーを常設して社員がいつでも飲めるようにしていたり、
お客さまとの打ち合わせ時にコーヒーを提供していますよね。
好きだから、香りがよいから、気分転換になるからという理由で
飲んでいるかもしれませんが、実はコーヒーには病気のリスクを減らし、
認知能力向上など仕事のパフォーマンスまで高める作用があるのです。

コーヒーって、実は体に悪いという嘘。
かつて、コーヒーは嗜好品として扱われていましたが、今は健康に良い食品として注目されています。
今でも、コーヒーを飲み過ぎると体に悪いと思っている人は、WHO(世界保健機構)が1991年に、コーヒーに発がん性があると発表したことを覚えているのかもしれません。 そのとき以来、コーヒーは体に良いのか悪いのか、いわゆる「コーヒー論争」が繰り広げられて来ました。
ハーバード大学が、20年間かけて20万人以上を対象に調査し、コーヒーを飲んでいる人は飲まない人に比べて早期死亡率が下がるという研究結果を2008年に発表しました。のちに、WHOがコーヒーには発がん性はないと認め、コーヒー論争に決着がつき、コーヒーは健康な食品であると位置づけられるようになったのです!
コーヒーのメリットとは?
コーヒーの主な成分は、カフェインとクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)です。カフェインは体に悪い、眠れなくなると思われがちです。あながち間違いとは言えませんが、コーヒーの成分は、メリットが多く、また飲み方次第でデメリットはほとんどなくなります。
[カフェインの作用]
カフェインには、体を覚醒してやる気を出させる、運動能力をアップさせる効果があります。デメリットは、利尿作用があること、胃が弱い人が空腹時に摂ると胃酸が出すぎることなどです。水を同時に摂る、飲むタイミングを気をつけるだけで、デメリットは解消できます。
[クロロゲン酸の作用]
クロロゲン酸は、血糖値の上昇を抑える効果があり、成人病等の疾病のリスクを下げます。コーヒーが体によいとされるのは、主にこのクロロゲン酸を含んでいるからです。
また、抗酸化作用により、アンチエイジングが期待できます。
[カフェインとクロロゲン酸のgoodな関係]
カフェインは、覚醒作用のメリットがありますが、気分が高揚しすぎるとイライラの原因にもなります。一方、クロロゲン酸はカフェインの覚醒作用をおとさずに、イライラを抑える効果を持っています。この2つの成分が一緒になることで、コーヒーが最強の飲み物となっているのです。

コーヒー最新のエビデンスは?
[疾病のリスクが減る]
2008年に発表したハーバード大学の研究によれば、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病による死亡リスクが少ない、自殺率にいたっては50%減少するという結果が出ています。※1
日本の研究では、2015年に、国立がん研究センターが9万人を対象に調査があります。一日にコーヒーを3~4杯飲む人は飲まない人より心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患による死亡率が低いことがわかりました。※2
[生産性があがる]
コーヒーのメリットは、疾病のリスクの低下だけではありません。反応時間、注意力、記憶力、正確性、パワー、やる気に効果が出るというデータがあります。※3
これだけたくさんの項目で有用性が示されているデータが出ているのは、食品の中ではコーヒーだけなのです。
[香り]
なんと、飲まなくても、香りを感じるだけで生産性アップにつながる効果があります。コーヒーの香りをかぐと、α波が出てリラックスします。ほかにも、コーヒーの香りは集中度をあげたり、疲れをとる効果、眠気をとる効果があります。香りの点から言えば、コーヒー屋さんの前を通るだけでも気持ちがよくります。
コーヒーを飲みながら仕事をするのはとても理にかなっているのです。
コーヒーは飲むタイミングでパフォーマンスが高まる!
[朝起きてすぐに飲むのはNG]
「朝起きてから最初にコーヒーを飲むのはいつですか」とアンケート(2020年6月LIFREE調査)では、起きてから30分以内という回答数が一番でした。
目覚めにまずコーヒーを一杯、という人は意外と多いのかもしれません。

(LIFREE パフォーマンスハックライブより)
ところが、実は起きてすぐにコーヒーを飲むのは、その後のパフォーマンスに影響が出るためあまりお勧めはできません。
起床後1時間ぐらいの間は、コルチゾールというホルモンが出て、体を目覚めさせ、ストレス耐性をつくる時間にあたります。カフェインは、このコルチゾールの分泌を抑えてしまう作用があり、この時間のコーヒー習慣は体に備わった覚醒のしくみを弱らせてしまいます。起床後1時間は、カフェインを含むコーヒーは、控えたほうがよいのです。
また、カフェインは胃酸を多く出させる作用がありますので、胃が弱い人は、朝食前の空腹時にコーヒーを飲むのは避けた方がよいでしょう。
コルチゾールと胃酸分泌の注意を併せると、起床後1時間以上経過してから、朝食と一緒に、または食後に、というのが、朝のコーヒーの飲み方として望ましいと言えます。
[コーヒーのゴールデンタイム]
カフェインには覚醒作用がありますが、身体のバイオリズムを損なわず、カフェインの良さを引き出す時間帯があります。その時間帯にコーヒーを飲めばパフォーマンスがあがる、すなわち「コーヒーのゴールデンタイム」です。
午前中にパフォーマンスをあげたい人は、起床後2時間経過したころ、たとえば7時に起きたのなら、9時~11時の間に飲んでください。午後から夜にかけてパフォーマンスをあげたい人は14時~17時の間に飲んでください。もちろん両方でも大丈夫です。
飲む時間を決めて、その時間を楽しみに待つ、というのもよいですね。
今日から選んでほしいもの、ほしくないもの
いま、コンビニでいれたてのコーヒーが安く手に入りますし、市販のコーヒー飲料も種類が豊富です。カフェで飲んだり、豆や粉を買ってきて自分でいれたり、多様な楽しみ方があります。もちろん好みで選べばよいのですが、「コーヒーの効果」に絞った選び方があります。
[缶コーヒー・ペットボトルコーヒーは、糖分と油に注意]
ブラック以外の缶コーヒーには、糖類が多く入っています。「微糖」と書いてあるものでも、角砂糖2個分程度は糖分が入っています。
また成分に「乳化剤」と書いてあれば、それはミルクではなく、植物由来の油です。この成分はパフォーマンスにはマイナスに働きます。
ペットボトル入りのコーヒー飲料は、がぶ飲みできることで人気ですが、缶コーヒーと同じく糖分、油分に気をつけたい商品です。量が多いため、ペットボトル1本分に角砂糖9個分、約36gの糖類が入っているものもあります。これは成人男性が1日で摂取してよいとされる糖分量25gをゆうに超えます。
缶コーヒー、ペットボトルコーヒーは、コーヒーの持つメリットよりこうしたデメリットが上回るので要注意です。
[豆を買うなら、値段が高いものがよい]
コーヒー豆は、海外から長い時間をかけて運ばれて来るものがほとんどです。輸送中の品質管理で差が出ます。温度管理、湿度管理が十分にされていないものは、輸送中にカビが生えてしまいます。
輸送にコストをかけている、つまりその分の値段が高いものが、安全といえます。
コーヒーは健康にも良く、更にパフォーマンスを上げる効果があると認識して飲めば、さらにおいしくなるでしょう。例えば、職場で午後のミーティング時に意識的に取り入れることで、生産性アップも期待できます。意外かもしれませんが、コーヒーの持つ効果を最大限利用してチームのパフォーマンス向上に是非お役だてください。
睡眠に困ったときは専門家に相談を
質の高い睡眠は、日々の生活習慣と環境の見直しから始まりますね!
上記の方法を実践することで、眠りの質が向上し、日中のパフォーマンスも高まる1つになるでしょう。
しかし、個人差があったり一般的に言われている改善ではなく個人に合わせた睡眠不足や不眠に悩む場合
専門的なサポートが必要となることもあります。
Lifree株式会社では、睡眠に関する専門的なアドバイスやサポートを提供しておりますので
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※参考
Inc. Harvard Nutrition Researcher to Coffee Fans: Go Ahead, Have 5 Cups a Day https://www.inc.com/jessica-stillman/harvard-nutrition-researcher-to-coffee-fans-go-ahead-have-5-cups-a-day.html
国立がん研究センターwebサイト https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html
国立バイオテクノロジー情報センターwebサイト
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15678363/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3222359/