みなさん、こんにちは!
睡眠セミナーを提供しているLifree株式会社の高橋です。
今回のテーマは、チームのリーダーとその睡眠。
いまや睡眠が、リーダシップにおいて非常に重要な要素であることが様々な研究からも明らかになってきています。
組織で上司が適切な睡眠をとることは、チーム全体のパフォーマンスやチームビルディングに直接影響を与えます。
以下では、睡眠が上司としてのリーダシップにどのような影響を及ぼすかについて詳しく説明します。
まず第一に、睡眠は上司の認知能力と意思決定に影響を及ぼします。
特に、睡眠不足は注意力や集中力の低下を引き起こし、判断力や問題解決能力を損なう可能性があります。
ある研究では、一日5時間の睡眠を4日間連続で制限されたところ、認知能力の低下が飲酒運転の法定制限値のアルコール度数と同様の状態であると判明しました。
あるいは、睡眠不足は、タスク間の切り替えの効率を低下させ、その切り替えコストを増加させ、マルチタスクのパフォーマンスを低下させるとの研究もあります。
みなさんも実際に眠気が襲ってくる状態では、一般的な注意管理が損なわれ、注意が目の前のタスクではなく自身の眠気に向かってしまうような経験もあるのではないでしょうか。
睡眠不足は集中力の大きな敵となってしまいます。
さらに、選択肢の取捨選択に関する研究も興味深いです。
それによると、睡眠不足になると、不合理に高いレベルのリスクを追求してしまうようになり、リスク処理がますます滞ってしまうことが明らかになっています。
例えば、75時間の睡眠不足では、同じペイオフ確率であってもリスクをとる確率が40%も増加したようです。
リーダーのその眠気が、無意識のうちに間違った方向へチームを誘導している可能性があるのです。
逆に言うと、リーダーが十分な睡眠を取ることで、クリアな思考や正確な判断を行うことができます。
これにより、チームのリーダーはより的確な意思決定を下し、組織やチームにとって有益な方向性を提供することができるかも知れません!
第二に、睡眠はリーダーのメンタルやストレス管理にも重要な役割を果たします。
睡眠不足は身体的な健康問題や精神的な不調を引き起こし、ストレスレベルを上昇させる傾向があります。
つまり、リーダーが十分な睡眠をとることで、ストレスを軽減し、より冷静かつバランスの取れた状態を保つことができるのです。
これにより、チームのリーダーはストレスの影響を受けずに困難な状況に対処し、適切な対応策を講じることができます。
実際に不眠症に対して治療を受けた人は、不眠症の改善だけでなく、
気分、自制心、仕事の満足度、職場の同僚に対する援助行動、職場でのネガティブな行動の減少などが見られたとの研究もあります。
他にも、睡眠不足が改善されて気分や仕事への満足度に変化が生じると、チームのメンバーは同僚に対してヘルプする可能性が高くなるとの研究結果もあるんです。
チームのリーダーのメンタルや機嫌が、そのチームに与える影響には計り知れないものがあります。
リーダーの睡眠(不足)は良くも悪くもそのチームの根底を成す一要素になっていると考えられます。
第三に、睡眠はリーダーの関係構築やコミュニケーション能力にも影響を与えます。
睡眠不足は言葉の選択や情報の伝達において支障をきたし、コミュニケーションの誤解や混乱を引き起こす可能性があります。
例えば、さまざまな業界の88人のリーダーとその部下を調査した研究によると、
睡眠の質が悪かった夜の次の日にはパワハラ的な監督行為が増加し、これが直ちに部下の仕事への従事の低下に繋がったとの結果が示されています。
(ちなみに上司はこのことに気づいておらず、完全に無意識とのこと。)
このような問題に対して、上司が十分な睡眠をとることで、クリアな思考と円滑なコミュニケーションを実現できます。
これにより、上司はメンバーとの対話やフィードバックの提供において、明確で具体的な指示を出し、的確な情報を伝えることができます。
それによって、メンバーとのコミュニケーションが円滑になり、意思疎通の問題や誤解を最小限に抑えることができます。
同研究では、対照的に同じリーダーが質の高い睡眠をとった場合、配慮にかけた監督行為は少なく、それに見合って部下のワークエンゲージメントも上昇していたということです。
睡眠の力おそるべし、、!
さらに、上司の睡眠状態は、彼らのエネルギーとモチベーションにも影響を及ぼします。
十分な睡眠をとることで、上司はよりエネルギッシュで活気に満ちた状態を維持し、チームメンバーを鼓舞する力をより強く発揮できるようです。
こちらも実際の研究があり、睡眠不足のあるリーダーはカリスマ性や鼓舞する能力が低く、部下とのコミュケーションにおいてポジティブな感情を示すことができず、部下のリーダーに対するカリスマ性の認識が低下するそうです。
これはまさに踏んだり蹴ったりのチームですが、逆にいうと上質な睡眠のリーダーは、チームのモチベーションと生産性を向上させることができる可能性が高まります!
最後に、リーダーが睡眠を重視することは、組織内の健康な労働文化を促進する上で非常に大きな意義を持っています。
上司が睡眠の重要性を認識し、自身が良好な睡眠習慣を実践することで、メンバーにもその重要性を示すことができます。
組織全体で睡眠と休息を尊重する文化が根付くことで、労働者の健康とパフォーマンスの向上につながります。
リーダーは、そのようなチームの健康や生活全体に対するよりよい循環を生み出す影響力を持っており、
健康経営を推進していく上で大きな可能性を秘めた存在となっているのです。
今回の記事も最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考文献
『Why healthy sleep is good for business』
Christopher M. Barnes a, *, Nathaniel F. Watson b
a Department of Management and Organization, Foster School of Business, University of Washington, United States
b Department of Neurology, University of Washington (UW) School of Medicine, UW Medicine Sleep Center, United States
(https://www.sleepclinic.be/wp-content/uploads/Why-healthy-sleep-is-good-for-business.pdf)
実際に睡眠セミナーを取り入れようとした場合、どこの企業に依頼すれば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。
そこでおすすめしたいのが、Lifreeの手掛ける睡眠セミナーです。
Lifreeは、“健康格差をなくすために、誰もが健康において自律できる世界を創る”を存在意義として掲げる企業です。
独自設計された睡眠プログラムは、数値改善をするだけではなく
従業員自身が前のめりになり積極的に参加いただき好評を得ているプログラムになります。
最初に従業員への調査を実施し、その後一歩踏み出すためのセミナーを提供しており
160社以上、既に多くの企業がLifreeの睡眠セミナー・プログラムを導入し、成果を実感されています。