健康経営のメリット7選!デメリットや企業・従業員双方への効果を解説

最終更新日:2026-03-16

「健康経営」という言葉を耳にする機会が増えました。

しかし実際には、
・本当に生産性は上がるのか?
・コストに見合う効果はあるのか?
・認定取得だけで終わらないのか?

と疑問を持つ経営者・人事担当者も多いはずです。

健康経営は「やった感」では意味がありません。
一方で、正しく設計できれば、人材不足・メンタル不調・離職といった
経営課題に対して、実務的な打ち手になり得ます。

本記事では、健康経営の一般的なメリット・デメリットを網羅的に整理しながら、
現場支援(180社以上)を行ってきたLifreeの立場から、
意思決定に必要な論点・数字の考え方・具体例
も交えて解説します。

健康経営とは?近年、重視される理由

健康経営とは?

健健康経営とは、従業員の健康保持・増進を経営課題として捉え、
戦略的に実践することで企業価値向上を目指す経営手法です。

経済産業省は、
「従業員の健康管理を経営的視点で考え、戦略的に実践すること」と定義しています。

従来の福利厚生との違いは、
・健康を“コスト”ではなく“投資”と考える
・企業価値や業績との関連を重視する
・経営トップが主体的に関与する
という点にあります。

ここで重要なのは、「健康に良いことをやる」ではなく、
経営課題(生産性・離職・採用・リスク)とつなげて設計することです。

たとえば、同じウォーキング施策でも、

・「歩こう!」で終わる会社
・「欠勤率・プレゼンティーズム・エンゲージメント」を指標に、対象部署・対象層を絞って実行する会社

では成果がまったく変わります。

Lifreeの現場でも、成果が出ている企業は例外なく、
「目的→指標→対象→施策→評価」の順で組み立てています。

近年重視されるようになった理由

1. 少子高齢化による人材不足
優秀な人材の確保が難しい時代、
「採用」よりも「定着」が重要になっています。

採用難の時代は、1人抜ける影響が大きくなります。
・残業増・現場の疲弊
・引き継ぎによる生産性低下
・チームの空気悪化
・さらに離職が続く(連鎖)

こうした“負の連鎖”を止める上でも、健康経営は有効です。

2. 人的資本開示の義務化
上場企業では人的資本情報の開示が求められ、
健康・安全指標も重要視されています。

「人に投資しています」と言うなら、
・健康(心身)
・安全(事故・労災)
・働きやすさ(制度・運用)

がセットで問われます。
健康経営は、人的資本を語るうえでの“基礎体力”になっています。

3. メンタル不調・休職者の増加
近年、精神疾患による休職は増加傾向にあります。

休職は本人の人生にとっても大きな出来事ですが、企業側も

・代替要員の確保
・業務の再設計
・管理職の対応負荷
・復職支援
など「見えないコスト」を負います。

しかも、休職は発生してから対応しても遅いことが多く、
“前兆段階”で気づける仕組みが鍵になります。

 

4. プレゼンティーズムの可視化
出勤しているが生産性が低下している状態(プレゼンティーズム)は、
欠勤よりも企業損失が大きいと言われています。

欠勤は目に見えますが、プレゼンティーズムは
「本人も不調に気づいていない」
「周囲も評価できない」
「毎日じわじわ損失が積み上がる」
ため、経営課題として見落とされがちです。

実際、私たちの11,029名調査でも、
・不眠リスク者は抑うつリスク約3.3倍
・特定年代で不調率が高い

という結果が出ています。
これは個人の問題ではなく、組織パフォーマンスの課題です。

健康経営銘柄と健康経営優良法人認定制度とは?

健康経営に取り組む企業を評価する制度は2つです。
・健康経営銘柄(上場企業向け)
・健康経営優良法人(大規模法人部門/中小規模法人部門)

認定取得には、
✔ 採用広報での活用
✔ 金融機関からの評価向上
✔ 入札・補助金審査での加点
などの実務メリットがあります。

ただし重要なのは、
認定取得がゴールではないということです!

現場支援をしていると、認定制度には「落とし穴」もあります。
たとえば、

・書類上は整っているが現場の参加率が低い
・施策が点在していて、何を改善したいのか不明
・KPIがなく「良かったね」で終わる
・次年度、担当者が変わってリセットされる

こうなると、認定は取れても、健康経営としては機能しません。
逆に、成果が出ている企業は

・経営課題(離職・休職・事故・生産性)とつないでいる
・施策が“線”になっている(現状把握→実行→評価)
・数字で説明できる
という共通点があります。

 

健康経営の企業側のメリット

①生産性の向上

従業員の健康状態が改善すると、
・集中力向上
・判断力向上
・欠勤率低下
・プレゼンティーズム改善
につながります。

ここで押さえたいのは、「健康=医療費削減」だけではなく、
日々のパフォーマンス(時間あたり成果)の底上げが健康経営の中心価値であることです。

特にデスクワーク中心の職場では、
・睡眠不足・疲労
・慢性ストレス
・眼精疲労・肩こり
・運動不足
といった不調が、じわじわと生産性を削ります。

中でも睡眠改善などの取り組みは、生産性改善効果が高い分野として注目されています。

私たちの11,029名調査では、
・不眠リスク者は抑うつリスク約3.3倍
・不調層ほど業務パフォーマンス自己評価が低い

という傾向が見られました。

さらに、支援企業における睡眠改善施策では、
・不眠数値50.6%改善
・メンタル数値36.5%改善
・eNPS29.5%向上
という結果が確認されています。

これはあくまで一例ですが、
健康状態の改善がパフォーマンスに波及する可能性を示しています。

②メンタル不調の予防・早期発見

健康経営の取り組みによって、
・ストレス状況の可視化
・不調者の早期発見
・休職リスクの低減

が可能になります。

特に生活習慣の変化(例:睡眠の質低下)は、
メンタル不調の前兆として現れるケースもあります。

Lifreeの現場でも、成果が出る企業は
「不調になったら支援」ではなく、
不調になる前に“気づける設計”を重視しています。

そのために、ストレスチェックに加えて
生活習慣やコンディションの簡易データを組み合わせる企業が増えています。

早期に気づける仕組みがあることは、経営リスクの低減につながります。

③離職率の低下・人材定着

健康施策が充実している企業は、
・従業員満足度向上
・エンゲージメント向上
・離職率低下

につながる傾向があります。

画像引用元:経済産業省『健康経営の推進について

④健康意識が低い層まで巻き込める施策設計

健康経営の成功には、
「一部の健康意識が高い人だけで終わらない設計」が重要で
参加ハードルの低い施策(例:生活習慣改善支援、睡眠改善など)は、
幅広い層に届きやすい特徴があります。

ここが実は、健康経営の“落とし穴”でもあります。
運動イベントや健康セミナーは、どうしても「もともと意識が高い人」が参加しがちです。

すると、

・参加者の満足度は高い
・でも組織の不調率は変わらない
という状態になります。

11,029名調査でも、
年代・性別ごとに不調傾向が異なることが明らかになっています。

つまり、全員一律の施策ではなくデータに基づく設計が重要なのです。

Lifreeの現場では、まず
「不調が多い層・部署」を特定し、
その層が参加しやすい施策(短時間・低負荷・生活の中でできる)を置くことで、
全体の改善が起きやすくなります。



⑤管理職リスクの低減

健康状態はマネジメントにも影響します。
慢性的な疲労や睡眠不足は、
・判断ミス
・感情的対応
・ハラスメントリスク
にもつながりかねません。

健康経営はリスクマネジメントの一環でもあります。

特に管理職は、本人の不調が

・チームの空気
・離職
・生産性
に波及します。

そのため、成果が出ている企業では
「管理職のコンディション」も健康経営の対象として扱います。
(例:マネジメント研修+睡眠・ストレス・働き方の見直しをセットにする、など)



⑥効果を数値化できる

健康経営は、
・ストレスチェック結果
・医療費
・欠勤率
・エンゲージメント指標

などで数値化できます。

私たちの支援企業では、
・不眠数値50.6%改善
・メンタル数値36.5%改善
・eNPS29.5%向上
・プレゼンティーズムの損失額と改善額
といった定量変化が確認されています。

数値があるからこそ、継続判断が可能になります。

⑦採用力・ブランド力向上

「健康経営に本気で取り組んでいる企業」という姿勢は、
採用市場での差別化要素になります。

健康経営優良法人認定は、
・採用ページでの訴求
・ESG対応
・金融評価向上
に活用できます。

特に若手人材は、企業の姿勢を重視する傾向があります。

ただし注意点として、採用広報に活かすなら、
「認定を取りました」だけでは弱いです。

・何を課題として
・どんな施策をして
・どんな変化が出たのか
を語れる企業ほど、応募の質が上がります。


健康経営の従業員側のメリット

健康経営は企業側のメリットが語られがちですが、
最も恩恵を受けるのは従業員本人です。

ここでは、一般的な健康経営のメリットを整理しつつ、
実際のデータや現場知見も交えて解説します。


1. 心身の健康維持・早期発見できる

健康経営の最大の価値は、「不調になる前に気づける」ことです。

従来は、
・体調を崩してから受診
・メンタル不調で休職してから対応

という“事後対応型”が中心でした。

しかし健康経営では、
・定期的な健康データの可視化
・ストレスチェック
・生活習慣の見直し支援
を通じて、予防型アプローチが可能になります。

たとえば、私たちLifreeが実施した11,029名の調査では、

・不眠リスク者は抑うつリスクが約3.3倍
・睡眠改善後、メンタル数値が平均36.5%改善 睡眠改善は費用対効果が高く、
 パフォーマンスを最大化する「鍵」に…

という結果が出ています。

これは「睡眠」という一例ですが、
生活習慣の変化はメンタル不調の初期サインになる可能性があります。

健康経営は、従業員が自分の状態に早期に気づき、
深刻化する前に対処できる仕組みを作る取り組みです。

2. モチベーション・エンゲージメント向上

健康経営は「健康施策」だけではありません。

企業が従業員に対して
「あなたの健康を重要な経営資源として考えている」
というメッセージを発信する取り組みでもあります。

私たちの支援企業では、睡眠改善施策実施後に

従業員エンゲージメント指標(eNPS)が29.5%向上 
という結果も確認されています。

エンゲージメントが高まると、
・主体性向上
・業務への集中力向上
・組織への帰属意識向上
といった変化が起こります。

健康経営は単なる健康対策ではなく、
組織文化づくりの施策でもあるのです。


3. 働きやすい職場環境の整備

健康経営を進める企業では、
・長時間労働の是正
・業務負荷の見直し
・心理的安全性の向上
といった環境整備も同時に進みます。

健康は個人の責任ではなく、
環境要因との相互作用です。

さらに研究では、慢性的な睡眠不足のリーダーは、
・部下との関係性悪化
・判断力低下
と関連する可能性が示唆されています。

管理職のコンディション改善は、
職場全体の雰囲気やコミュニケーションにも影響します。

結果として、
・イライラの減少
・衝突の減少
・心理的安全性の向上

につながります。


4. 頑張らなくても実践できる健康習慣が身につく

健康経営の成功には「継続」が不可欠です。

しかし、
・過度な運動
・厳しい食事制限
・義務感の強い施策

では長続きしません。
参加ハードルの低い施策設計が重要です。

例えば睡眠改善は、
・誰もが毎日行っている行動
・新たな時間を大きく確保する必要がない
・小さな改善から始められる

という特徴があります。
私たちの支援現場では、
不眠数値平均50.6%改善 といった変化も確認されています。

「頑張らなくても整う」仕組みは、
従業員にとって大きなメリットです。


5. 家族・プライベートへの波及効果

健康経営の効果は職場だけにとどまりません。

健康習慣が改善すると、
・睡眠の質向上
・ストレス軽減
・家庭内コミュニケーション改善

など、家庭にも好影響が波及します。
従業員の人生全体の質(QOL)が高まることは、
企業にとっても長期的な安定につながります。


6. 「会社に守られている」という安心感

健康経営は、企業から従業員へのメッセージです。
利益だけでなく、「あなたの健康も大切にしている」
という姿勢が伝わると、

・会社への信頼感
・心理的安全性
・離職抑制

につながります。

ただし重要なのは、
調査だけで終わらせないことです。
改善まで設計されてこそ、納得感が生まれます!



健康経営のデメリット・注意点(現場から見えたリアル)

認定取得が目的化するリスク

制度取得がゴールになると、現場との乖離が生まれます。
認定取得がゴールになると、
・書類整備中心になる
・実態が伴わない
・現場の温度が下がる

という状態になります。
本来の目的は「健康を通じた組織改善」です。

“やりっぱなし施策”という最大の無駄

アンケート実施だけで改善につながらないケースは少なくありません。

よくある失敗パターンとしては
▶︎アンケート実施 → 集計 → 報告 → 終了

計測の後にフィードバックや効果的な
改善施策・アクションがなければ、従業員の信頼はむしろ低下します。

改善設計まで行ってこそ意味があります。


健康意識が高い人だけ参加する逆選択問題

設計を誤ると、本来支援すべき層に届きません。

運動・食事中心施策では、
健康意識の高い層だけが参加する傾向があります。

本来支援すべき“隠れ不調層”に届かなければ、
組織改善にはつながりません。

この逆選択を避けるには、

・参加ハードルの低い入口(例:睡眠・疲労・肩こり等)
・短時間・業務に組み込める形
・個人が“責められない”表現
が重要です。



経営層と従業員の温度差

価値観の違いを考慮しない施策は反発を生みます。

価値観の違いを考慮しない施策は反発を生みます。
世代間ギャップや価値観の違いを無視すると、
「甘やかし施策」
「また形だけの取り組み」
と受け止められる可能性があります。

現場との対話設計が重要になってくるのです。

Lifreeの現場では、温度差を埋めるために
・経営層向けには「損失・リスク・投資対効果」
・従業員向けには「体感・メリット・参加しやすさ」
で言葉を分けます。

同じ施策でも、伝え方で参加率は大きく変わります。

数字が取れない施策は継続できない

効果測定ができないと、経営判断ができません。
健康投資は経営判断です。

ROIが見えなければ、
・予算削減
・施策縮小
につながります。

数値化と定期的評価は必須です。

実際の現場では、最初から完璧なKPIを設定する必要はありません。
まずはシンプルな指標から始めることが重要です。

例えば多くの企業では、
以下のような指標を組み合わせて評価しています。

・欠勤率
・ストレスチェック結果
・エンゲージメント指標
・プレゼンティーズム自己評価
・離職率

これらを施策実施前後で比較するだけでも
健康経営の効果は十分に見えてきます。

また、成果が出ている企業では、
・半年〜1年単位での数値レビュー
・施策参加率の確認
・改善施策の見直し

といった定期的な振り返りサイクルを設けています。

健康経営は一度の施策で完結するものではなく、
「測定 → 改善 → 再評価」を繰り返すことで
初めて組織の変化につながります。

Lifreeの支援現場でも、
このサイクルを回し始めた企業ほど、
メンタル不調の減少やエンゲージメント向上などの変化が
継続的に確認されています。


まとめ

健康経営は、
単なる福利厚生の充実や認定取得を目的とした取り組みではありません。

・生産性向上
・メンタル不調の予防
・離職率の低下
・管理職リスクの低減
・採用力・ブランド力の強化

といった、経営課題そのものに直結する戦略です。

重要なのは、
「取得すること」ではなく「機能させること」

そして
「やるかどうか」ではなく「どう設計するか」です。

自社の課題に合わせて、
戦略的に取り組むことが成功の鍵となります。

Lifreeとしては、健康経営を成功させる一番の近道は、
“測って、絞って、小さく回して、改善する”ことだと考えています。
最初から完璧を狙うより、まずは現状把握と効果測定の土台を作り、成果が見えた施策に投資を厚くする。
この進め方が、結果的に最も費用対効果が高く、継続しやすい設計になります。

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「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。
Lifree株式会社では、ビジネスパーソン向けに
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