皆さんこんにちは。
Lifree株式会社代表・睡眠コーチのサトウ未来です。
一昔前まで「社員の睡眠は自己責任」と思われていましたが、
実は組織全体の生産性・人間関係・企業価値にまで影響を与える“経営課題”となっています。。
私たちはこれまで180社・10万人以上のビジネスパーソンをサポートしてきましたが
睡眠の乱れは個人だけでなく会社の業績を静かにむしばむ“見えない損失”を生み出していると実感しています。
本記事では、経営・人事の皆さまに知っておいていただきたい
「睡眠負債が会社に与える3つのリスク」と、
実際にLifreeが現場で見てきた改善事例を交えてお伝えしますね。
1.睡眠負債とは何か?
“睡眠負債”とは、必要な睡眠時間に対して少しずつ足りない睡眠が積み重なり、
心身に悪影響を及ぼす状態を指します。
例えば、毎晩1時間の寝不足が続くと、1週間で7時間=丸1晩の徹夜と同じ状態に。
一見「寝不足くらい大丈夫」と感じるかもしれませんが、
研究では次のような結果が報告されています。
睡眠6時間未満が2週間続くと、徹夜明けと同等の認知機能低下(Van Dongen, 2003)
睡眠不足のリーダーは、部下から「信頼できない」「感情的」と評価される傾向(Barnes, 2017)
1時間の睡眠不足で、生産性が平均13%低下(RAND Europe, 2016)
つまり睡眠負債は、“静かに蓄積するリスク”であり、
体調不良だけでなく判断ミス・人間関係・組織文化にまで影響するのです。
2.睡眠不足がもたらす3つの企業リスク
経産省の調査では、プレゼンティイズム(出社していても生産性が下がっている状態)の損失は、
1人あたり年間約178万円にものぼると言われています。
Lifreeの企業データでも、睡眠改善プログラム後には
不眠数値:平均50.6%改善
抑うつ度:平均36.5%改善
営業売上:157%向上
という結果が見られました。
つまり「睡眠改善」は“メンタル不調対策”を超え、
人材のパフォーマンス投資としてROI(投資対効果)が非常に高い施策なのです。
リスク②:メンタル・離職リスクの増大
睡眠不足はメンタル不調を約40倍引き起こしやすいという研究もあります。
夜眠れない状態が続くと、自律神経やホルモンバランスが乱れ、
「何となく気分が落ちる」「集中できない」「人と話すのがしんどい」などの軽度不調が増加します。
実際に私たちのサポート現場でも、
睡眠の改善がきっかけで「気持ちが安定して人に優しくなれた」「朝の憂うつがなくなった」
という声が多く寄せられています。
睡眠不調は、表面上は“体の疲れ”として見過ごされがちですが、
放置すると離職・休職・パワハラ行動・チーム崩壊など、組織リスクに直結します。
リスク③:エンゲージメント・人間関係の悪化
睡眠不足のリーダーは部下に対して厳しくなり、信頼を損ないやすい
これは米ワシントン大学の研究でも確認されています(Barnes, 2017)。
つまり、リーダーの睡眠がチームの心理的安全性を左右しているのです。
実際にLifreeが支援した企業では、
睡眠改善プログラム後にeNPS(従業員エンゲージメント指標)が29.5%向上しました。
「睡眠」という一見プライベートなテーマが、
実はチームの関係性やコミュニケーションの質を高めるカギでもあるのです。
3.企業事例と数値で見る「睡眠負債の損失」
RAND Europeの調査では、睡眠不足による経済損失は
日本全体で約15兆円にのぼると報告されています。
企業単位で見ても、
睡眠不足社員の1人あたりの損失:年32.8万円
メンタル不調による休職コスト:平均1490万円/人(採用・引継含む)
これらを合算すると、睡眠負債が放置されることは
「人材の見えない損失」として、採用・教育・生産性すべてに影響します。
一方で、Lifreeが実施した企業向け「睡眠改善プログラム」では、
平均して行動変容率90%・プレゼンティイズム178万円改善という結果が出ています。
つまり、睡眠負債の削減は“コスト削減”ではなく、
人的資本への再投資であり、従業員一人ひとりの“健康資本の積立”です。
4.まとめ:人事・経営層が今できること
最後に、経営・人事が今日からできる3つのアクションをお伝えします。
まずは睡眠サーベイで、従業員の睡眠実態を可視化します。
平均睡眠時間・入眠時間・日中の眠気・メンタル傾向などを把握することで、
“なんとなく不調”という曖昧な状態をデータで把握できます。
管理職の睡眠改善は、チーム全体の心理的安全性や生産性に直結します。
「まずリーダーが眠る」ことが、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。
睡眠セミナーを“やりっぱなし”にせず、
・サーベイ → セミナー → 改善プログラム → 効果測定というサイクルを設計することで、
「参加者の納得感」「経営層の効果実感」を同時に得られます。
おわりに
睡眠負債は、見えない形で企業の成長を妨げる“静かなコスト”です。
一方で、睡眠改善は費用対効果が高く、健康意識の低い社員にも届く“全員施策”。
私たちLifreeでは、睡眠数値の改善だけでなく、
メンタル・エンゲージメント・売上・離職率など、
「人の回復が業績に変わる」仕組みを企業と一緒に設計しています。
社員一人ひとりがよく眠り、よく働く。
その循環こそが、これからの人的資本経営の本質ではないでしょうか。
「仕事が忙しくて睡眠時間を確保できない」「寝ても疲れが取れない」という方は、
睡眠の専門家に相談することで解決策を見つけることができます。
Lifree株式会社では、ビジネスパーソン向けに
パフォーマンスを最大化するための睡眠改善プログラムを提供しています。
睡眠の質を高め、日中の生産性を向上させる具体的な方法を知りたい方は
ぜひLifree株式会社までお問い合わせください。
執筆者
サトウ未来(Lifree株式会社代表取締役/快眠コーチ)
NTTドコモ、サイバーエージェントなど180社10万人以上のサポート実績。
従業員の睡眠数値▲50.1%、メンタル数値▲35.6%改善。
睡眠上級指導士/日本睡眠学会正会員/アクションラーニングコーチ/
フランス式アロマ上級インストラクター等